フィナステリドの効果・副作用・禁忌
フィナステリドの目次
フィナステリドの効果

プロペシアやそのジェネリック医薬品の有効成分であるフィナステリドには、5α-リダクターゼの活動を阻害する働きがあります。
これによってDHTの生成を抑えることで、AGAの進行を食い止めるというのがフィナステリドのメカニズムです。
AGAは、DHTと呼ばれる男性ホルモンの変異体が髪の成長サイクル(ヘアサイクル)を短縮してしまうことによって起こる男性型脱毛症です。
通常のヘアサイクルであれば、3年~6年の月日を経て、「成長期」⇒「後退期」⇒「休止期」と一連の流れがあり、この流れで1周期となりますが、AGA患者の場合、本来ゆっくりと時間をかけて新しい毛髪を育てる時期である、成長期が短く、成長する前に抜け落ちてしまうのが原因です。
AGAの直接原因であるDHTは、男性ホルモンのテストステロンと5α-リダクターゼと呼ばれる還元酵素が結合することによって生成されますが、フィナ ステリドはテストステロンが5α-リダクターゼと結合するのを防ぐことで、DHTを生成するのを抑える役割があります。
フィナステリドの臨床試験結果
プロペシアはもともと海外の製薬会社が開発した医薬品ですが、日本国内で承認するにあたって、薄毛に悩む患者を対象にプロペシアの臨床試験を行ったデータがあります。
期間は3年に渡って行われ、実際に薄毛を解消した、または進行が止まったと言う報告が実に98%に上りました。

また、服用を続けるにあたって、年々改善される可能性も上がり、1年目では58%、2年目で68%、3年目には78%の薄毛に悩む患者が解消されているため、実績のある医薬品だと言うことが分かります。
フィナステリドのメカニズム・豆知識
元々フィナステリドは前立腺肥大症の薬「プロスカー」で承認得た成分でした。
前立腺肥大症の主な原因はまだ解明されてはいませんが、高齢になると男性ホルモンのバランスが崩れることで起こる病気とされています。
フィナステリドは5α-リダクターゼの働きを阻害する効果があります。
5α-リダクターゼは、前立腺でテストステロンをジヒドロテストステロンに変換してしまいます。フィナステリドは、この5α-リダクターゼの働きを阻害することで肥大した前立腺を小さくすると言われています。
また、前立腺がんの予防にもなると言われていて、検証した結果前立腺がんのリスクが相対的に25%も減少したとされています。
このように、前立腺肥大症や、前立腺がんの治療薬として使われてきましたが、その後の検証中に毛が生えてきたという報告が多数あり、改めてAGA治療薬として検証が行われてプロペシアが誕生しました。
フィナステリドの服用方法

1日1回1錠を水かぬるま湯で服用することがプロペシアの基本的な服用方法です。
服用量は必要によって増減させることができますが、基本は1日にフィナステリド0.2mg、摂取量上限はフィナステリド1mgまでとなります。
ジェネリック医薬品の中には1錠あたりのフィナステリド含有量が1mg以上のものもありますが、この場合はピルカッターを利用して薬錠をカットし、調節をしたうえで服用してください。
効果をより得るために、成分量を増加することは危険であるだけでなく意味がありません。
むしろ副作用の発生率が高まる可能性があります。
飲み物によっては薬の効き目に影響を与えることがあるため、必ず水かぬるま湯で服用してください。
用量や服用方法を守らなければ確かな効果を得られないばかりか、重篤な副作用が生じる恐れもあるので十分注意が必要です。
さらにプロペシアの効果を最大限、安全に引き出すためには、正しい服用方法と気を付けるべきことを把握する必要があります。
以下に服用するにあたってのポイントをまとめてみました。
服用する時間は?飲み忘れたら?
プロペシアは、1日1錠の服用が基本です。
体内のフィナステリド濃度を常に一定に保ったままにしておくことによって、よりスムーズに、そして健康的にAGA治療を進めることができます。
濃度を一定に保つために、毎日決まった時間に飲むのもコツです。
1日服用を忘れてしまった場合も、1日1錠の原則を変える必要はありません。
飲み忘れに気づいたのがその日のうちであれば気づいたときに服用することができますが、日付が変わっている場合には飲み直す必要はありません。
薬を服用し忘れてしまった翌日には2日分まとめて飲もうとなってしまいがちですが、冒頭に書いたようにプロペシアを服用する際はフィナステリド濃度を一定に保つ必要があります。
2日分をまとめて服用してしまうと、その分だけフィナステリド濃度が上がってしまうことになります。
その結果、薬の効果が強すぎて副作用が出てしまう可能性があります。
過剰服用はせず、1日1錠という基本的な摂取量を守って服用してください。
どのくらいの期間飲めばいい?
プロペシアやそのジェネリック医薬品は、薬の服用を続けることで徐々にDHTによって損なわれたヘアサイクルが元に戻り、効果を実感できるようになります。
2日~3日服用したからといって劇的に髪が増えるということはありません。
早ければ3ヶ月ほどの継続服用で目に見える効果が現れたという例もありますが、一般的には6ヶ月、欠かさず服用することが必要です。
なかなか生えてこないと焦ってしまう方もいると思いますが、根気よく服用していくことが大切です。
6ヶ月以上経っても効果を実感できない場合は、一度医師に相談してください。
薄毛の進行が止まっても服用を継続する
プロペシアを服用して、薄毛の進行が止まった、少し増えてきた、このような改善効果が見られたとしてもすぐに服用を止めてはいけません。
服用している間に、薄毛が徐々に改善されているのはプロペシアの有効成分である、フィナステリドが5α-リダクターゼの活動を阻害し、DHTの生成を抑えているためです。
少し生えてきたからと、中断してしまうと再発する恐れがあるため、半年飲み続けることで、正常なヘアサイクルへと生まれ変わり、結果的に症状の改善が見込める結果となります。
ミノキシジルとの併用が効果的
AGA治療をさらに効率よく進める方法として、プロペシアとミノキシジルを併用する方法があります。
ミノキシジルとはCMでもお馴染みの「リアップ」や「スカルプD」などの育毛剤に含まれている成分です。
プロペシアは抜け毛防止やヘアサイクルの修正をする役割を果たし、ミノキシジルは発毛効果があるため、弱った髪の毛をより強くして発毛効果に期待できます。
ミノキシジルは国内では、塗り薬のみ認可されておりますが、海外のミノキシジルはミノキシジルタブレット(ミノタブ)と言う内服薬もあるため、手間をかけずに治療できるのも、海外通販のメリットです。
プロペシアでは効果が出ない場合
AGAの直接原因は、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼによってDHTに変容してしまうことです。
プロペシアには、5αリダクターゼの働きを阻害してAGAの進行を止める効果があります。
しかしこの5αリダクターゼ、実は1型と2型の2種類があり、プロペシアは2型に対してのみ効果を発揮します。
1型が原因になっている場合は、別のAGA治療薬ザガーロを使用する必要があります。
その他、円型脱毛症や頭皮にフケや皮脂が大量発生し炎症を起こす、粃糠性脱毛症や脂漏性脱毛症があります。
その場合、AGAとは違う対処方法で治療を行わなければいけない為、専門の医師に相談するようにしてください。
フィナステリドの副作用
医薬品には全て副作用というものが存在します。
それはプロペシアのジェネリック医薬品も例外ではありません。
薬の本来の目的通り働く効果を主作用といい、本来の目的以外で出てしまう効果を副作用と言います。
一般的に薬に含まれる成分は、1つの症状にのみ作用するわけではなく、望む治療効果以外にも作用してしまう場合が多いです。
服用時の体の体調によって副作用が生じる場合や、成分に対するアレルギー症状が副作用として生じる場合があります。
起こりやすい副作用
・リビドー減退(性欲、精力の低下)
・鼻づまり
・じんましん
特に多いのはリビドー減退で、ED(勃起不全)に発展する可能性があるので要注意です。
薬の量を調整したり服用を中止したりすることで対処できます。
どれも一時的な症状であり、深刻に捉える必要はありませんが、症状が重い場合や長引く場合には、直ちに医療機関で診察を受けてください。
重篤な副作用
プロペシアには、ごく稀に引き起こされる重篤な副作用が存在します。
・肝機能障害
異常なけん怠感や黄疸といった症状です。
フィナステリドは体に吸収された後、肝臓で分解・処理されて体外へと排出されますが、その際肝臓に負担がかかってしまします。
フィナステリドの副作用発生率はいずれも、4%前後と非常に低確率ではありますが、症状が重い場合や長引く場合には、直ちに医療機関で診察を受けてください。
フィナステリドを服用してはいけない人
・プロペシアやフィナステリドに対してアレルギー症状の既往歴ある方
・妊婦、授乳中または妊娠の可能性のある方
・20歳未満の方
・女性
・肝臓機能障害のある方
フィナステリドを服用して蕁麻疹や体のかゆみなどを伴う、過敏症を引き起こす、引き起こしたことのある方は服用することができません。
再度の服用で過敏症が強く出る恐れがあります。
また、女性の方も服用することができません。
もともと女性が服用するために製造されていないため、副作用が強く出てしまう場合や、過去の一例として妊婦が服用した際に、男性胎児の外性器の発達に悪影響が確認されています。
フィナステリドの併用禁忌・注意
フィナステリドが成分として入っている医薬品を使用している、使用を中止してから1ヵ月未満である場合、は献血を行わないでください。
使用中や、使用中止してから1ヵ月未満ではまだ、血中に成分が残っています。
日本赤十字社では使用中止後、1ヵ月の休薬期間をおいて献血する事とされています。
関連ページ
参考サイト
・フィナステリド - Wikipedia
・医療用医薬品 : フィナステリド