デュタステリドの効果・副作用・禁忌
デュタステリドの目次
デュタステリドの働き・効果
AGAの直接的な原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンです。
男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼと呼ばれる酵素によってDHTに変化し、ヘアサイクルを極端に短くしてしまい、抜け毛が増えてしまう現象がAGAです。
デュタステリドは、この5αリダクターゼによるDHTの生成を抑え、正常なヘアサイクルに戻すことでAGAを治療することが出来ます。
また、AGAの原因の5αリダクターゼには1型と2型があります。
同じAGA治療薬のプロペシアは5αリダクターゼ1型に対して効果がないという難点がありましたが、デュタステリドは1型、2型と両方に効果を発揮し、AGAを治療します。
デュタステリドの臨床試験結果
デュタステリドは5αリダクターゼ1型、2型に効果があります。しかし、同じAGA治療薬として有名なプロペシアの成分であるフィナステリドは5αリダクターゼ2型にしか効果がありません。
同じ5αリダクターゼの働きを阻害する働きのあるフィナステリドと比べるとどのくらい効果に差あるのでしょうか?
どれくらい効果が違うのか臨書試験を行った結果プラセボ-4.9<フィナステリド1mg56.5<デュタステリド0.1mg63.0<デュタステリド0.5mg89.6というような結果となり、プロペシアの有効成分のフィナステリドよりも効果があることが分かりました。

デュタステリドのメカニズム、豆知識など
元々デュタステリドは前立腺肥大症の薬「アボダート」で承認を得た成分でした。
前立腺肥大症の主な原因はまだ解明されてはいませんが、高齢になると男性ホルモンのバランスが崩れることで起こる病気とされています。
デュタステリドは5α-リダクターゼの働きを阻害する効果があります。
5α-リダクターゼは、前立腺でテストステロンをジヒドロテストステロンに変換してしまいます。デュタステリドは、この5α-リダクターゼの働きを阻害することで肥大した前立腺を小さくすると言われています。
また、前立腺がんの予防にもなると言われていて、6ヵ月デュタステリドを与えた患者はPSA値が50%低下しました。このPSA値が高いと前立腺がんになる確率が高くなります。
このように、前立腺肥大症や、前立腺がんの治療薬として使われてきましたが、その後の検証中に毛が生えてきたという報告が多数あり、改めてAGA治療薬として検証が行われてザガーロが誕生しました。
デュタステリドの服用方法

デュタステリドが主成分であるザガーロやザガーロジェネリック医薬品も、ともに用法用量は同じです。
・1日1錠、同じ時間に水と共に服用してください。
・より確実にAGAを治療するには継続して服用していく必要があります。
・飲み忘れがないように注意してください。
・就寝前に飲むなど、ルールを決めておくと忘れにくいです。
・就寝前の服用には、飲み忘れを防げるだけでなく、デュタステリドの分解がゆっくり進むため、薬の効果をより得られやすいというメリットもあります。
・医師の指導のもとで服用してください。
服用する時間は?飲み忘れた場合どうすればいい?
デュタステリドは、1日1錠、同じ時間に飲むことで、体内のデュタステリド濃度を常に一定に保ちます。体内のデュタステリド濃度一定に保つことで、よりスムーズに、そして健康的にAGA治療を進めることができます。
飲み忘れてしまった場合は、その日のうちであれば気づいたときに服用することができます。
日付が変わってしまった場合は、2日分まとめて飲もうと思いがちですが、冒頭に書いたようにザガーロやザガーロジェネリックを服用する際はデュタステリド濃度を一定に保つ必要があるので2日分をまとめて飲むのは止めましょう。
2日分をまとめて服用してしまうと、その分だけデュタステリド濃度が上がってしまい、強い副作用がでてしまう可能性があります。
過剰服用はせず、1日1錠という基本的な摂取量を守って服用してください。
どのくらいの期間飲めばいい?
早ければ3ヶ月くらいで目に見える効果が現れたという例もありますが、一般的には6ヶ月、欠かさず服用することが必要とされています。
2日~3日服用したからといって劇的に髪が増えるということはありません。
なかなか生えてこないと焦ってしまう方もいると思いますが、根気よく服用していくことが大切です。
6ヶ月以上経っても効果を実感できない場合は、一度医師に相談してください。
髪が抜ける初期脱毛
デュタステリドの場合、初期脱毛と呼ばれる飲み始めた時に毛が抜ける現象あります。
デュタステリドは乱れてしまったヘアサイクルを戻そうとする作用があります。
ヘアサイクルを戻す時に、AGAの影響を受けて毛根に残った細く弱々しい古い髪が抜けていきます。
その結果、ヘアサイクルが正常に戻り、長く太く丈夫な新しい髪が生えるようになります。
AGAから回復しつつある証拠になるので特に心配する必要はありません。
この初期脱毛を知らずに抜け毛が増えたと勘違いをして治療を止めてしまう人もいるので気を付けましょう。
長期的に服用することで耐性ができる?
デュタステリドは基本的には耐性がつくことはありません。
長く飲んでいても効果があらわれない場合はAGAではない脱毛症である可能性があります。
病院で診察してもらうことをお薦めします。
下記のページで抜け毛について詳しく説明をしているので確認をしてみて下さい。
ミノキシジルとの併用
AGAの治療をさらに効率よく進める方法として、ミノキシジルと併用する方法があります。
それぞれ成分の作用やメカニズムが違う為、併用する事でより髪を増やす効果が期待できます。
ただし高い効果を得られる反面、副作用もそれなりに強く出てしまう事がありますので、ミノキシジルを使用する際は錠剤のものではなく、副作用の弱い塗布する外用タイプのものを選ぶのがお薦めです。
また、プロペシアは成分は違いますが、同じような作用をするデュタステリドと併用する事はできません。
デュタステリドでは効果が出ない場合
デュタステリドが効かないという場合は、ストレスなどによる脱毛症である可能性があります。
デュタステリドには5αリダクターゼ1型・2型の両方を阻害する働きがあります。
デュタステリド以前、AGA治療薬の成分として定番だったフィナステリドが2型にしか効かないことを考えると、より確実なAGA治療が可能と言えますが、そんなデュタステリドもAGA以外の脱毛症には効果を発揮しません。
デュタステリドの副作用
デュタステリドの副作用は主に下記になります。
・勃起不全
・リビドー(性欲)減退
・発疹
・頭痛
・腹部不快感
・肝機能障害
特に起こる可能性が高いのはED(勃起不全)、リビドー減退といった性機能に関する副作用です。
正確には解明されていませんが、DHT生成阻害によるホルモンのバランスの乱れとされています。
EDに関しては、デュタステリドとバイアグラなどのEDを改善する効果のある医薬品を併用することで対処できます。
どれも一時的な症状であり、深刻に捉える必要はありませんが、症状が重い場合や長引く場合には、直ちに医療機関で診察を受けてください。
デュタステリドを服用できない方
・妊娠中の女性
女性のデュタステリドの服用を禁止されています。
デュタステリドはホルモンのDHTの生成を阻害する効果があるのですが、実はDHTは妊娠中の胎児に必要なホルモンでもあります。
胎児に必要なDHTの生成を阻害してしまうと、胎児に悪影響が出てしまうので、妊娠中の方や、妊娠予定の方は気を付けましょう。
また、女性の場合の薄毛(FAGA)はDHTとの関係が薄いので、デュタステリドで治すことができません。女性の場合はミノキシジルを使用しましょう。
AGAとFAGAの違いは下記のページから確認をしてみて下さい。
・小児
子供も使用してはいけません。子供にとってDHTは成長するのに必要なホルモンになります。
子供が使用してしまうと成長の妨げになってしまうので気を付けましょう。
・肝機能障害の方
デュタステリドは肝臓で分解される成分なので、肝機能障害の方が使用すると、ビリルビンと呼ばれる黄色い色素が代謝できずに血中で増加してしまい、黄疸がでてしまう場合があります。
・デュタステリドに対してアレルギー症状の既往歴のある方
アレルギー症状の既往歴のある方は服用をやめましょう。
デュタステリドの併用禁忌・注意
医薬品を服用する際には、併用禁忌薬と併用注意薬というものが存在します。
併用禁忌薬はデュタステリドと一緒に服用することで体に重大な影響を与えてしまう可能性のある医薬品です。
デュタステリドを服用する際には、自分が現在服用中の薬をしっかりと確認する必要があります。
>併用注意薬はデュタステリドと一緒に服用することで体に様々な影響が及ぶ可能性があり注意が必要な医薬品です。
薬の効果を弱めてしまったり、逆に強めてしまう場合があるので、注意してください。
併用注意薬
・CYP3A4阻害剤(クラリスロマイシン、クロラムフェニコールなど)
デュタステリドとの併用によって働きが阻害されてしまいます。
その結果、デュタステリドの血中濃度が高まって効果が強くなりすぎ、副作用が現れやすくなります。
関連ページ
その他のAGA治療薬
参考サイト
・デュタステリド - Wikipedia
・医療用医薬品 : ザガーロ