SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬とは？

SGLT2阻害薬は、日本では2014年から使用され始めた糖尿病治療薬です。
余分な糖を尿と一緒に排出し血糖値を下げる治療薬で、副次的な効果として体重の減少が見られます。

また糖尿病治療薬の中では、低血糖が起こるリスクが低いことも特徴です。

近年ではSGLT2阻害薬に減量効果があることから、飲むだけで痩せられるダイエット薬としても注目を集めています。

SGLT2阻害薬の種類一覧

SGLT2阻害薬には現在、6種類の医薬品が登場しています。
種類により処方頻度は異なりますが、糖尿病治療の際は6種類のいずれかが選択されます。

一方でダイエット目的でSGLT2阻害薬が使用される場合、人気なのは主にフォシーガ・ジャディアンス・カナグルなどの種類です。
ダイエット薬としても処方され、体重の減少や体型維持のため多くの方に服用されています。

SGLT2阻害薬のダイエット効果

SGLT2阻害薬のダイエット効果は、体内にある余分な糖を排出する作用により発揮されるものです。
そしてダイエット効果に関わるのが、SGLT2というタンパク質と糖の関係性になります。

糖質は、人間にとって体を動かすためのエネルギー源となる栄養素です。
しかし糖質を摂りすぎると、体内の余分な糖が脂肪に変換され、太る原因となってしまいます。

SGLT2阻害薬は名前の通り、SGLT2の働きを阻害する作用があります。
SGLT2の働きが阻害されることで腎臓での糖の再吸収がおこなわれなくなり、尿と一緒に糖を排出します。

糖の吸収量が減ることでカロリーの摂取量も下がり、体重の減少や肥満の改善が期待できるようになります。

参考：SGLT2阻害薬とは？特徴・種類・注意点| 知りたい！糖尿病

SGLT2阻害薬ダイエットで何キロ痩せる？

SGLT2阻害薬を服用すると、1日60～100gの糖が排出されます。
カロリーに換算すると1日200～400kcal、1ヶ月では6,000～12,000kcal分の糖が排出される計算です。

脂肪1㎏を落とすためには、7,200kcal分のエネルギーを消費、あるいは摂取を控えなければなりません。

上記を踏まえると、SGLT2阻害薬によるダイエットは1ヶ月1kg痩せることができる計算となります。

が必要となります。

対するSGLT2阻害薬は飲むだけで、時間や労力をかけずにダイエットをすることが可能です。

また脂肪が1kg減るとウエストが1cm引き締まるという統計もあり、SGLT2阻害薬のダイエット効果は数値以上に実感しやすいかもしれません。

参考：カロリーとは｜タニタマガジン | タニタ

臨床試験データ

SGLT2阻害薬を服用するとどれくらい痩せることができるのか、臨床試験がおこなわれています。
以下では3種類のSGLT2阻害薬のダイエット効果について、臨床試験のデータをもとに紹介していきます。

フォシーガ

24週間投与	体重減少
5mg	-2.56kg
10mg	-3.17kg

フォシーガの服用による体重の減少率について、海外で臨床試験がおこなわれています。
試験の対象となったのは、18～75歳の1型糖尿病の患者さんです。

臨床試験によると、5mg・10mgどちらでも体重の減少が見られました。

フォシーガにはダイエット効果があり、用量が多いほど体重の減少率も高まることが分かります。

参考：2.5 臨床に関する概括評価 フォシーガ®錠

カナグル

12週間投与	体重減少率
5mg	-2.2％
100mg	-2.9％
300mg	-2.7％

カナグルは海外において、糖尿病を患っていない肥満の方376名を対象に臨床試験がおこなわれています。

臨床試験ではどの用量でも体重の減少が見られました。

カナグルは体重の減少に有効で、また用量による差が少ないことが明らかにされています。

参考：Canagliflozin: effects in overweight and obese subjects without diabetes mellitus - PubMed

ジャディアンス

投与24週後の体重の変化
10mg	-1.93kg
25mg	-2.15kg
投与52週後の体重の変化
10mg	-1.42kg
25mg	-2.53kg

ジャディアンスは、食事や運動療法を実施しているにも関わらず、血糖値のコントロールが不十分な外国人および、日本人の2型糖尿病の患者さんを対象とし、臨床試験がおこなわれています。

臨床試験ではジャディアンス10mg・20mg、またはプラセボ錠を被験者の方に1日1回服用してもらい、ジャディアンスの効果や安全性について調査されました。

服用前後の体重の変化も調査され、以下のような結果が公開されています。

ジャディアンスのダイエット効果は、用量に比例して高まることが分かります。

参考：医療用医薬品 : ジャディアンス

SGLT2阻害薬ダイエットはどれがいい？

SGLT2阻害薬は、臨床試験においても体重を減少させる効果が認められています。
しかし種類がさまざまあり、ダイエット目的に服用するときにどれを選ぶべきか迷うかもしれません。

どの治療薬が自分に合うか分からないという方に向けて、それぞれのSGLT2阻害薬の特徴を簡単に紹介していきます。

SGLT2阻害薬ダイエットの口コミ

SGLT2阻害薬によるダイエットについて、効果や安全性が気になる方も多いはずです。
ここではSGLT2阻害薬を実際にダイエット目的で使用している方の口コミをご紹介していきます。

良い口コミ

まずはSGLT2阻害薬について、良い口コミをご紹介します。

■フォシーガ

使用期間2ヶ月　体重変化94kg→86kg

毎朝、10mgのむだけで運動、食事制限などはしませんでした。体重があるせいかもしれないですが、効果は抜群でした
トイレは増えますので、水分を普段以上とるように心がけていました。他の副作用はとくになく、今後もつづけていこうと思います。

引用：フォシーガで痩せた人達の本音は？51件の口コミより判明！21-30件 - ダイエットカフェ

■ルセフィ

使用期間2ヶ月　体重変化52kg→51kg

ルセフィを飲み始めて約２ヶ月。元々甘党で、食事制限一切なし。スイーツ大好き人間なので、普通にコンビニスイーツ一日平均２個。更に食事の時間も遅くとダイエットには不向きの生活ですが、ルセフィとゼニカルのお陰で太らずに過ごせています。ある程度散歩などの軽い運動をしますが、食べてる量が半端ないので、普通に飲みながら軽めに食事制限したら痩せると思います。

引用：ルセフィの効果が14件の本音口コミから判明！11-20件 - ダイエットカフェ

■ジャディアンス

使用期間1ヶ月　体重変化88kg→86kg

朝一錠飲みます。その後の尿がいつもと違って少し泡立ちがあり糖分が出ていると感じました。
ゆっくりではあるけれど、食べる量も変えずに落ちました。副作用も感じる事なく1ヶ月で2キロ落ちました。しばらくは続けていくつもりです。

引用：ジャディアンスの効果が20件の本音口コミから判明！ - ダイエットカフェ

SGLT2阻害薬を服用した方からは、運動や食事制限をほとんどしなくても体重が落ちたという口コミが多く見つかりました。

体内の糖分を排出する作用により摂取カロリーがカットされるため、SGLT2阻害薬は飲むだけで体重の減少や維持が可能となります。

悪い口コミ

ここでは、SGLT2阻害薬の悪い口コミをご紹介します。

■フォシーガ

使用期間1週間以下　体重変化55kg→54kg

まだ始めたばかりですが、尿から糖がすごくでるため、陰部をこまめに洗ったりしないと、アソコのまわり太ももにかけて、湿疹がでている。かぶれたのかもしれない。糖がでているのは確かだと分かったが、発疹が気になる。もう少し様子をみたい。

引用：フォシーガの副作用が27件の本音口コミより判明！ - ダイエットカフェ

■ルセフィ

使用期間6ヶ月以上　体重変化78kg→76kg

病院で処方され飲んでいます。血液検査に良い影響は出ているものの、皮下脂肪には及ばずです。
まだこれからなのかもしれません。病院からは運動と併用するように言われているのですが、なかなか時間がとれず、そのせいかも

引用：ルセフィの効果が14件の本音口コミから判明！ - ダイエットカフェ

■ジャディアンス

使用期間1ヶ月　体重変化56kg→56kg

朝目に見えた数値や見た目に反映されておらず、まだ１ヶ月だけだからなのか、それとも体質に合わなかったのかまだ判断できない状況です。そもそも脂質や糖質をあまりとらない食生活だったので余計見いだせなかっただけかもしれません。

引用：ジャディアンスの効果が20件の本音口コミから判明！ - ダイエットカフェ

SGLT2阻害薬のダイエット効果は、体内の余分な糖を排出する作用によるものです。
しかし普段から糖質をあまり取らない方の場合、ダイエット効果を実感しにくくなります。

また副作用が起こる可能性がゼロではないことにも注意が必要です。

SGLT2阻害薬ダイエットは保険適応されない

SGLT2阻害薬は、国内ではあくまでも糖尿病治療薬としてのみ承認されています。
従って病院で処方してもらうとき、SGLT2阻害薬が保険適応されるのは糖尿病治療の場合のみとなります。

ダイエット目的でのSGLT2阻害薬の使用は保険適応外となり、自由診療での処方です。
薬代は全額自己負担となるため、比較的高額な値段となってしまいます。

SGLT2阻害薬はダイエット目的の場合、主に美容クリニックなどのダイエット外来において処方されています。
値段は病院により異なるため、費用を抑えるためにも複数の病院を比較、検討した上で受診することをおすすめします。

SGLT2阻害薬は個人輸入で購入できる

SGLT2阻害薬は、美容クリニックなどの処方以外にも個人輸入代行サイトから購入する方法もあります。
美容クリニックと異なる特徴があり、個人輸入代行サイトを利用してSGLT2阻害薬を入手する方も増えています。

ここでは個人輸入と美容クリニックでの処方を比較しながら、SGLT2阻害薬を個人輸入するメリット・デメリットをご紹介します。

SGLT2阻害薬を個人輸入するメリット

まずはSGLT2阻害薬を美容クリニックではなく、個人輸入により購入した際のメリットに触れていきます。
SGLT2阻害薬の個人輸入には、大きく3つのメリットがあります。

それぞれのメリットについて、更に詳しく解説していきます。

価格が安い

個人輸入によるSGLT2阻害薬の購入について、メリットとしてまず挙げられるのが値段が安い点です。

美容クリニックでSGLT2阻害薬を処方してもらう場合、ダイエット目的では自由診療となるため薬代が全額自己負担となります。
病院により値段にバラつきがあり、更に診察費などの料金が追加されることもあるため割高になることが多いです。

しかし個人輸入の場合、診察費など別の料金がかからず薬代のみで購入できるため値段が安いです。
また低価格なジェネリック医薬品の取り扱いもあるため、こちらを選ぶことで更に出費を抑えることが可能になります。

実際に個人輸入とクリニックにおける値段を比較してみても、前者の方が低価格なことが分かります。

商品名	クリニック	通販
フォシーガ	30錠 約20,000円	28錠 6,300円
	1錠あたり 666円	1錠あたり 225円
ジャディアンス	30錠 約25,000円	30錠 4,950円
	1錠あたり 833円	1錠あたり 165円
カナグル	30錠 約20,000円	30錠 5,940円
	1錠あたり 666円	1錠あたり 198円

通院不要

個人輸入の場合、SGLT2阻害薬を購入する際に診察が不要なため通院をする必要がありません。
スマホやPCがあればどこでもSGLT2阻害薬の注文ができ、後は自宅に配送してもらうことが可能です。

クリニックでSGLT2阻害薬を処方してもらう場合、定期的に病院を受診する手間がかかってしまいます。
しかし個人輸入なら仕事や家事が忙しく時間がない方や、近くに美容クリニックがない方でも手軽にSGLT2阻害薬を購入できることがメリットです。

種類が豊富

個人輸入のメリットのひとつに、取り扱っているSGLT2阻害薬の種類が豊富なことも挙げられます。

ダイエット目的でSGLT2阻害薬を処方している美容クリニックはたくさんありますが、取り扱っている治療薬が1～2種類ほどに限られていることが多いです。
そのため処方してもらった治療薬が万が一合わなかった場合、別の種類を取り扱っているクリニックを探す必要があります。

個人輸入であればSGLT2阻害薬の種類がクリニックよりも豊富であり、自分に合った種類を探しながら服用することが可能です。

SGLT2阻害薬を個人輸入するデメリット

SGLT2阻害薬の個人輸入には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
クリニックでの処方と比べた際のデメリットは、次の2点です。

それぞれのデメリットについて、順番に解説していきます。

すぐには届かない

個人輸入でSGLT2阻害薬を購入した際のデメリットとして、まず挙げられるのがすぐには届かないことです。

注文した商品は海外発送となるため、手元に届くまでにどうしても時間がかかってしまいます。

個人輸入で荷物が届くまで、目安となるのは10～14日ほどです。
SGLT2阻害薬は服用し続けることでダイエット効果が発揮されるため、余裕を持って早めに注文するようにしましょう。

自己責任

個人輸入におけるSGLT2阻害薬の購入は、自己責任となる点もデメリットのひとつです。

病院処方であれば診察の際に患者さんに合った種類の治療薬が処方され、飲み方や副作用などの説明を受けることもできます。

しかし個人輸入では医師による診察はなく、どの種類を選ぶのか、また飲み方や副作用などもすべて自分で判断しなくてはなりません。
個人輸入したSGLT2阻害薬を服用する際は、あらかじめ治療薬について理解した上で使用するようにしてください。

SGLT2阻害薬の服用方法

SGLT2阻害薬の基本的な服用方法は、1日1回、水かぬるま湯での服用です。

しかし1回あたりの用量や服用のタイミング、注意点などは種類により異なります。
SGLT2阻害薬を服用する際は、必ず服用方法を確認した上で飲み始めるようにしてください。

参考：医療用医薬品 : ジャディアンス

SGLT2阻害薬の副作用

SGLT2阻害薬の主な副作用は、次の通りです。

なお上記で紹介した副作用は一例です。
SGLT2阻害薬の種類により発生する可能性のある副作用や発生頻度が異なる場合もあるため、服用前に必ず確認してください。

参考：医療用医薬品 : フォシーガ (フォシーガ錠5mg 他)

尿路・性器感染症に注意

SGLT2阻害薬の副作用の中でも、特に注意したいのが尿道・性器などの感染症です。

臨床試験においてSGLT2阻害薬の副作用に膀胱炎や性器のかゆみ、また女性では更にカンジダ症などが発生することが認められています。

女性の場合は特に注意が必要なため、SGLT2阻害薬の服用中は毎日入浴する、ウォシュレットを使用するなど感染症の予防を心掛けるようにしてください。

SGLT2阻害薬を使用できない方

SGLT2阻害薬は、体質や健康状態により使用できない場合もあります。
一例として、以下の内容に該当する方はSGLT2阻害薬を使用することはできません。

種類により使用できない場合が異なることもあるため、必ず確認した上で服用を開始してください。

参考：医療用医薬品 : カナグル (カナグル錠100mg)

SGLT2阻害薬の併用禁忌

SGLT2阻害薬の併用禁忌薬は、現在報告されていません。
しかし併用する際に注意が必要な治療薬はあります。

なおSGLT2阻害薬の種類により、併用に注意が必要な薬が異なる場合があります。
現在服用中の医薬品がある方は、飲み合わせについて確認した上でSGLT2阻害薬の服用を検討してください。

参考：医療用医薬品 : フォシーガ (フォシーガ錠5mg 他)

SGLT2阻害薬のダイエットに関するQ＆A

SGLT2阻害薬のダイエットについて、よくある疑問をQ&A形式で解説していきます。
服用前に疑問やお悩みがある方は、ぜひ参考にしてみてください。

SGLT2阻害薬は糖尿病でなくても使えますか？

SGLT2阻害薬は、糖尿病にかかっていない方でも使用できます。
国内では美容クリニックなどで、自由診療でのSGLT2阻害薬の処方がおこなわれています。

また個人輸入では、どなたでもお買い求めいただけます。
SGLT2阻害薬をダイエット目的で購入したい方は、美容クリニックや個人輸入をご検討ください。

SGLT2阻害薬とGLP-1どっちがいいですか？

SGLT2阻害薬とGLP-1はどちらもダイエット薬として注目を集めていますが、それぞれ作用が異なります。

SGLT2阻害薬は糖の吸収を抑え、排出するダイエット薬です。
一方のGLP-1は血糖値をコントロールし、食欲を抑える作用があります。

甘いものやご飯が好きな方はSGLT2阻害薬、食べることを我慢できない方はGLP-1というように、ご自身のライフスタイルに合わせてお選びいただくことをおすすめします。

SGLT2阻害薬のダイエットは違法ですか？

SGLT2阻害薬をダイエット目的に使用することは、違法ではありません。
有効性や安全性に問題がない場合、医薬品が承認されている効果以外の目的で使用されるケースはさまざまあります。

また個人輸入により海外から医薬品を購入することに関しても、薬機法により認められています。

しかし現在の日本国内では、糖尿病治療薬をダイエット目的で使用する方が増えたことにより、本来必要とされる糖尿病の患者さんに治療薬が行き渡らないという事態が発生しています。

個人輸入であれば国内の在庫が消費されないため、糖尿病の患者さんが治療薬を不足することなく、ダイエット目的に使用することが可能です。

参考：ダイエット目的 糖尿病治療薬 不適切使用で必要な患者に届かず | NHK | 医療 ・健康