ザガーロとアボルブはどちらもデュタステリドという成分を含む医薬品ですが、適応する症状が異なります。
ザガーロはAGA(男性型脱毛症)の治療に用いられる一方で、アボルブは前立腺肥大症の治療に使用されているのです。
この記事では、ザガーロとアボルブのその他の異なる点や、共通点などについても詳しく解説していきます。
ザガーロの価格についても紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
ザガーロとアボルブの違い比較
ザガーロ | アボルブ | |
---|---|---|
適応症 | AGA 男性型脱毛症 |
前立腺肥大症 |
成分 | デュタステリド | デュタステリド |
用量 | 0.1mg 0.5mg |
0.5mg |
効果 | 5α-還元酵素の阻害 | 5α-還元酵素の阻害 |
メーカー | グラクソ・スミスクライン | グラクソ・スミスクライン |
販売開始 | 2016年6月 | 2009年9月 |
ザガーロとアボルブは、ともに同じ製薬会社によって製造されています。
しかし、国内で承認された使い方(適用)や、その用量が異なるため、実際には全く異なる医薬品として扱われているのです。
有効成分はどちらもデュタステリドのため、一見すると同様の医薬品に見えるかもしれませんが、実際には異なる特性や効果を現します。
ザガーロとアボルブは適応が違う
国内において、ザガーロはAGA治療薬として承認され、一方でアボルブは前立腺肥大症の治療薬として承認されています。
そのため、前立腺肥大症の治療にザガーロを使用することや、AGAの治療にアボルブを使用することは認められていません。
アボルブをAGAの治療に使用した場合、副作用救済制度が適用されなくなります。
副作用救済制度は、適切な使用方法で処方された場合に起因する副作用に対する救済措置です。
アボルブは前立腺肥大症の治療に使用されるため、AGAの治療にアボルブを使用することは正しい使い方ではありません。
そのため、AGAの治療には必ずザガーロを使用してください。
ザガーロとアボルブは保険適用が違う
日本では、ザガーロは保険適用外の自由診療となっているため、全額自己負担です。
一方で、アボルブは保険の対象であるため、負担額が削減されます。
国民皆保険に加入している国民は、病院で保険証を提示することで治療費の3割、高齢者の場合は1割のみの負担となります。
ただし、健康保険の対象には一定の制限があり、一般的には病気やケガによる治療が健康保険の対象となります。
そのため、妊娠・出産や薄毛治療、美容整形、先進医療などは保険の適用外となり、全額自己負担となるのです。
従って、前立腺肥大症の治療に処方されるアボルブは保険が適用されますが、AGA治療のザガーロは保険適用外のため全額自己負担となります。
参考:医薬品副作用被害救済制度
ザガーロとアボルブは用量が違う
ザガーロは通常、0.1mgから0.5mgの範囲で処方されますが、アボルブは一般的に0.5mgのみが使用されます。
AGAの治療において、ザガーロは0.5mgまで使用することができますが、一部の研究では0.1mgでも十分に効果を得られるとされています。
一方で前立腺肥大症の治療においては、0.5mgの用量が一般的に効果的であるとされているのです。
ザガーロとアボルブは販売日が違う
ザガーロとアボルブは、国内で承認を受けた年が異なります。
日本では、先にアボルブが前立腺肥大症の治療薬として承認されています。
アボルブは20年以上前から使用されており、比較的長い間使用されているのです。
一方でザガーロは、そのあとにAGA治療薬として承認された経緯があります。
ザガーロの日本での承認は約12年ほど前であるため、アボルブよりも新しい医薬品です。
ザガーロとアボルブの作用は同じ
ザガーロとアボルブは、いずれも有効成分にデュタステリドを含み、同じ作用機序を持っています。
両薬ともに5α-還元酵素のⅠ型およびⅡ型を阻害し、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制する効果が期待されているのです。
DHT(ジヒドロテストステロン)は、頭皮だけではなく、皮膚や前立腺などにも存在しており、AGAや前立腺肥大の原因とされています。
DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することで、頭皮や前立腺などへの影響を軽減し、症状の進行を抑制する効果が期待されているのです。
このように、ザガーロとアボルブは同じ作用機序を持ち、それぞれの適した部位の症状を緩和する効果があります。
ザガーロとアボルブは副作用も同じ
ザガーロとアボルブは同じ有効成分を持つため、同じ副作用が発生する可能性があります。
主な副作用は、以下です。
1%以上 | 1%未満 | 頻度不明 | |
---|---|---|---|
過敏症 | – | 発疹 | 蕁麻疹 アレルギー反応 そう痒症 限局性浮腫 血管性浮腫 |
精神神経系 | – | 頭痛 抑うつ気分 |
浮動性めまい 味覚異常 |
生殖系及び乳房障害 | 性機能不全 (リビドー減退・勃起不全・射精障害) |
乳房障害 (女性化乳房・乳頭痛・乳房痛・乳房不快感) |
精巣痛 精巣腫脹 |
皮膚 | – | – | 脱毛症(主に体毛脱落 多毛症) |
消化器 | – | 腹部不快感 | 腹痛 下痢 |
その他 | – | – | 倦怠感 血中CK(クレアチニンキナー ゼ)増加 |
いずれも頻度不明:肝機能障害、黄疸
参考:医療用医薬品 : ザガーロ (ザガーロカプセル0.1mg 他)-11.2 その他の副作用
ザガーロとアボルブはメーカーも同じ
ザガーロとアボルブは、どちらも世界的な医薬品メーカーであるグラクソ・スミスクライン(GSK)が製造しています。
グラクソ・スミスクラインは世界的な医薬品メーカーであり、日本を含む多くの国でさまざまな医薬品を販売しています。
世界中で高い評価を受け、さまざまな症状や疾患に対する医薬品を開発し、広く使用されています。
ザガーロとアボルブはどっちがいいの?
前立腺肥大症には→アボルブ
ザガーロとアボルブはどちらもデュタステリドを含有していますが、AGAの治療においては、ザガーロの使用が推奨されます。
アボルブは前立腺肥大症の治療薬であり、一般的にAGAクリニックでは取り扱われていませんが、一部のクリニックでは薄毛治療として使用されることもあります。
ただし、そのような場合でも、副作用救済制度などの観点から、ザガーロを処方してもらうことが推奨されます。
また、ザガーロとアボルブはそれぞれジェネリック医薬品も存在するため、間違えることがないよう注意しましょう。
アボルブジェネリックはデュタステリドAV
語尾の英語が異なりますので、ご注意ください。
ザガーロとアボルブに関するよくある質問
以下では、ザガーロとアボルブに関する良くある質問について纏めています。
解説を交えて答えていくので、ぜひ参考にしてください。
アボルブの方が安いって本当ですか?
アボルブの価格が安いかどうかは、保険の適用によって異なります。
アボルブとザガーロの薬価自体は同じであり、国が定める薬価はどちらも73.10円です(2024年4月1日以降)。
ただし、AGA治療で使用されるザガーロは自由診療となるため、保険が適用されず、価格が独自に設定されるため高額になることがあるのです。
ザガーロでのAGA治療を検討する場合、海外通販を利用することで価格を抑えられるため、おすすめです。
ザガーロは海外通販で安く購入できる
クリニックで処方してもらうザガーロは、30錠でおおよそ11,000円程度が相場とされています。
しかし、海外通販ではジェネリックも取り扱われているため、費用を抑えたいという方におすすめです。
デュタストロン |
アボダート |
デュタステリド+ミノキシジル |
|
特徴 | ヘアサイクルを正常に戻し 薄毛を根本から改善する |
DHTの生成を抑制し 抜け毛の進行を根本から抑える |
抜け毛の抑制と発毛 育毛が同時におこなえる |
成分 | デュタステリド0.5mg | デュタステリド0.5mg | デュタステリド0.5mg ミノキシジル5mg |
メーカー | Asle pharmaceuticals | gsk | Asle pharmaceuticals |
価格 | 30錠 2,700円~ |
30錠 4,500円~ |
190錠 8,800円~ |
アボルブをAGA治療薬として使ってもいいですか?
アボルブをAGA治療薬として使用することは適切ではありません。
クリニックで処方されている場合でも、ザガーロやザガーロジェネリックの使用をおすすめします。
アボルブとザガーロは効果のメカニズムは共通しているものの、厚生労働省において、アボルブをAGA治療薬として使用することは許可されていません。
薄毛の人は前立腺肥大症になりやすいですか?
薄毛の方が前立腺肥大になりやすいという医学的な根拠はありません。
これは、薄毛と前立腺肥大が異なるメカニズムで発症する疾患であるためです。
しかしながら、薄毛および前立腺肥大症の原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)とされているため、必ずしも無関係とはいえません。
前立腺肥大は、薄毛と同じく、年齢の進行に伴う共通の要因やホルモンの変化と関連している可能性があり、50歳前後に発症しやすいと考えられています。