ミノキシジルは、血管拡張を促す作用によりAGAの治療に使用される医薬品です。
ドラッグストアで購入できるリアップなどの市販薬から、専門のクリニックで処方される内服薬まで、さまざまな種類が存在します。
この記事では、ミノキシジルの内服薬と外用薬の違いや、AGA治療をより効果的にするための飲み方や使い方を紹介します。
ミノキシジルは2種類ある
ミノキシジルには、飲むタイプの内服薬と、頭皮へ塗布する外用薬の2種類があります。
内服薬 | 外用薬 | |
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有効成分 | ミノキシジル 2.5mg~10mg |
ミノキシジル 1%~15% |
効果 | 高い | 低い |
性別 | 男性のみ | 男性・女性 女性は2%まで |
購入場所 | クリニック 海外通販 |
市販 クリニック 通販など |
副作用 | 起こりやすい | 起こりにくい |
内服薬と外用薬は、それぞれ異なる使用方法や注意点があり、発毛効果もやや差が生じる場合があります。
より効果的なAGA治療をおこなうためには、それぞれの正しい使用方法を理解し、適切に使用することが重要です。
【内服薬】ミノキシジルタブレット
内服薬はミノキシジルタブレットと呼ばれ、ロテニンやノキシジルなどがあります。
錠剤を服用することで有効成分が血中を巡り、頭皮の毛髪成長を担う毛乳頭に到達し、その部分で効果を発揮します。
毛髪の成長を直接サポートすることから、外用薬よりも高い発毛効果が期待されています。
内服薬は頭皮全体に成分が行き渡るため、ムラによる塗り斑などが起きにくく、全体的な発毛に効果を発揮する利点も。
ただし、ミノキシジルタブレットは男性のみが使用を許可されており、女性は使用できません。
ミノキシジルタブレットの飲み方
ミノキシジルタブレットは1日1回、5mgを服用してください。
飲み忘れを防ぐためにも、毎日決まった時間に服用することをおすすめします。
最大で10mgまで服用可能ですが、初めて使用する場合はまず5mgから始め、
効果を感じられない場合にのみ増量することが望ましいです。
5mgで十分な効果を得られた場合は、そのままの成分量を維持し服用を継続しましょう。
毎日決まった時間に飲む理由
飲み忘れを防ぐために、自分が忘れない都合の良い時間で、毎日同じ時間帯に服用しましょう。
また、毎日決まった時間に服用することで、有効成分の血中濃度を一定に保つことが期待できます。
この安定した成分濃度維持により、AGA治療の効果を最大限に引き出すことができるのです。
飲み忘れを防ぐだけでなく、AGA治療全般に期待される効能をより効果的に発揮させるためにも、服用時間をある程度一定にするよう心がけましょう。
飲み忘れてしまったら
飲み忘れた場合は、気付いたタイミングでなるべく早く服用するようにしてください。
飲み忘れた翌日からすぐに服用を開始すれば、とくに問題ありません。
ただし、2回分を一度に飲むなど、飲み忘れた分を増量することは避けてください。
1日の摂取量を超えると、予期せぬ副作用が発生する可能性があります。
ミノキシジルタブレットと食事・アルコール
ミノキシジルタブレットと食事による影響は、とくに報告されていません。
朝の空腹時や夕食後、どちらのタイミングで服用しても問題ありません。
ただし、毎日同じタイミングで服用するように心がけましょう。
一方で、アルコールの摂取は避けることをおすすめします。
発毛効果に直接的な影響はありませんが、ミノキシジルタブレットは血管を拡張する作用を持つため、通常よりも酔いが回りやすくなる可能性があります。
ミノキシジルタブレットを服用した場合は、念のため7時間程はお酒を控えましょう。
また、ミノキシジルタブレットとアルコールはどちらも肝臓で代謝されるため、同時に摂取することで肝臓にダメージを与える可能性があり注意が必要です。
ミノキシジルタブレットの副作用
ミノキシジルタブレットの副作用として、主に以下が挙げられます。
・動悸
・血圧低下
・浮腫(むくみ)による体重増加
・皮膚の赤み
ミノキシジルタブレットは、頭皮だけではなく、全体的に体毛が濃くなる多毛症を引き起こす可能性があります。
また、血管を広げる作用があるため、動悸や血圧低下が発生する可能性も。
血管拡張が体内の塩分や水分のバランスに影響を与え、組織に余分な水分がたまりやすくなり、むくみが生じる場合もあります。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
【外用薬】ミノキシジル
ミノキシジルの外用薬には、市販でもリアップが販売されており、ローションを頭皮に塗布することで発毛を促進する効果が期待されます。
内服薬は男性のみが使用を許可されていますが、外用薬は女性でも使用できる商品が販売されています。
市販薬では1%~5%までの成分量が配合されている一方で、クリニックでの処方や通販で入手できる医薬品には5%~15%までの製品が存在します。
ミノキシジルの外用薬は薬局などで手軽に購入でき、副作用も少ないとされている点がメリットです。
ただし、毛乳頭に直接働きかける作用は期待できないため、内服薬よりも効果は低いとされています。
ミノキシジルの使い方
ミノキシジルの外用薬は、1日1mlを、朝晩の2回頭部に塗布してください。
外用薬は男性でも女性でも使用できますが、ホルモンバランスの観点から、それぞれで最大濃度が異なります。
・女性:1~2%まで
女性の脱毛症は男性よりもホルモンの影響が比較的少ないため、低濃度でも十分な効果が得られるとされています。
一度に多くの量を使用しても効果が高くなるわけではないため、以下の濃度を厳守しましょう。
効果的な使用方法として、マッサージなどで血行を良くした後に塗布することで、成分が行き渡りやすくなります。
ミノキシジルを使うタイミング
ミノキシジルの外用薬を使用するタイミングとして、以下の点に注意してください。
起床してすぐに塗布
→完全に乾いてから整髪剤などを使用する
■夜の場合
シャンプー後、髪を乾かしてから塗布
→ミノキシジルが乾いてから睡眠
頭皮が湿った状態でミノキシジルを塗布すると、有効成分が薄まり、効果が発揮できない可能性があります。
ミノキシジルを塗布した後、頭皮が完全に乾いたら浸透したサインになります。
ミノキシジルと食事・アルコール
外用薬は内服薬とは異なり、体内に取り込まれず局所的に作用します。
そのため、食事やアルコールの影響を受ける心配はほとんどありません。
アルコールの摂取に対してもほぼ気にする必要がないため、飲酒に制限をかけたくない場合は、外用薬での治療を検討するのも良いでしょう。
ミノキシジルの副作用
ミノキシジルの副作用として、主に以下が挙げられます。
・かゆみ
・ふけ
・赤み
・頭痛
ミノキシジルは皮膚に直接塗布するため、頭皮に皮膚反応が現れることがあります。
また、血管拡張作用を持つため、頭痛を引き起こす可能性も。
ただし、これらの副作用は比較的軽度であり、一時的なものとされています。
ミノキシジルの使用期間
内服薬も外用薬も、継続して使用することで効果を得ることができます。
一般的には、平均して約6ヶ月ほどで効果を実感する方が多く、中には治療を開始してから約3ヶ月で改善が見られる場合もあります。
ただし、ミノキシジルは、細胞に直接働きかけてヘアサイクルを整える治療薬です。
即座に効果が現れる可能性は低いため、治療を開始してから6ヶ月~1年を目安に使用することが推奨されています。
すぐに効果が見られない場合でも、治療を途中で中止せずに続けることが重要です。
使用を中止すると、ヘアサイクルが元に戻り、薄毛が進行してしまう可能性があります。
より効果的に薄毛治療するには
ミノキシジルは発毛を促す効果がありますが、抜け毛を抑える効果はありません。
抜け毛を抑える治療薬としては、プロペシアやザガーロが挙げられます。
プロペシアやザガーロなどと組み合わせて使用することで、ミノキシジルの薄毛治療効果が向上する可能性があります。
ミノキシジルとプロペシア
プロペシアは、5α還元酵素のⅡ型を阻害することにより、テストステロンがジヒドロテストステロンに変換される過程を抑制します。
ジヒドロテストステロンは男性型脱毛症の原因と考えられ、特に頭頂部や前頭部に関与しています。
プロペシアによる5α還元酵素のⅡ型の阻害は、ジヒドロテストステロンの生成を減少させ、頭部の脱毛を軽減する作用が期待できます。
商品名 | フィナステリド+ミノキシジル |
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成分 | フィナステリド/1mg ミノキシジル/5mg・10mg |
セット内容 | フィナステリド100錠 ミノキシジル100錠 |
メーカー | Asle pharmacenticals |
価格 | 1mg/5mg 6,750円~ |
1mg/10mg 7,500円~ |
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ミノキシジルとザガーロ
ザガーロは、プロペシアとは異なり、5α還元酵素のⅠ型とⅡ型の両方を抑制する作用があります。
Ⅰ型とⅡ型の5α還元酵素の両方に作用するため、より広範囲にわたるジヒドロテストステロンの阻害が可能となり、AGAの治療において非常に効果的とされています。
プロペシアで効果を実感できなかった方は、ザガーロを使用することで抜け毛を抑えられる可能性があるため、ミノキシジルとの併用を検討するのも良いでしょう。
商品名 | デュタステリド+ミノキシジル |
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成分 | デュタステリド/0.5mg ミノキシジル/5mg |
セット内容 | デュタステリド90錠 ミノキシジル100錠 |
メーカー | Asle pharmacenticals |
価格 | 0.5mg/5mg 8,800円~ |
購入する |
ミノキシジルの飲み方・使い方に関するQ&A
非常に効果の高いAGA治療薬であっても、正しい服用方法を守らなければ十分な効果を得ることは難しいです。
ここからは、ミノキシジルの飲み方や使い方に関する質問を、解説と共に紹介します。
使用前に、必ず確認し、正しい使用を心掛けましょう。
ミノキシジルは外用薬と内服薬、どちらがいいですか?
より強力な発毛効果を望む場合は、内服薬がおすすめです。
また、部分的な薄毛の場合は外用薬、頭部全体の薄毛の場合は内服薬を選択するなど、用途によって選択するのも良いでしょう。
内服薬は動悸や血圧低下などの重い副作用が起こりやすい傾向がありますが、外用薬は一時的な皮膚炎などが一般的です。
これらの違いを考慮し、自身に合った治療法を選びましょう。
ミノタブは5mgと10mgどっちがいいですか?
ミノキシジルタブレット5mgと10mgから選ぶことができますが、
初めての場合はまず5mgから始め、効果を感じられなかった場合にのみ増量することが望ましいです。
5mgと10mgでは、10mgの方が発毛や育毛効果が高い分、副作用が発現する可能性も高くなります。
5mgで十分な効果を得られた場合は、そのまま維持し服用を継続しましょう。
ミノキシジルタブレットと外用薬は併用できますか?
内服薬であるミノキシジルタブレットと外用薬は併用できません。
どちらも血圧に作用する成分を含んでいるため、併用することで予期せぬ副作用が発生する可能性があります。
これに限らず、同じような作用を持つ医薬品の併用は、原則として禁じられています。
ミノキシジルを使用する場合、内服薬か外用薬のどちらか片方のみを選択し、併用は避けてください。
ミノキシジルタブレットと一緒に使ってはいけない薬もありますか?
ミノキシジルタブレットと一緒に使ってはいけない医薬品は以下が挙げられます。
・風邪薬(イブプロフェン)
・偏頭痛治療薬(イミグラン)
ED治療薬には、ミノキシジルタブレットと同じく血管を拡張する作用があるため、併用することで血圧の急激な低下や、予期せぬ副作用が発生する可能性があります。
風邪薬や頭痛薬も血圧へ作用するため、併用は避けてください。
ミノキシジルをやめたらどうなりますか?
ミノキシジルの服用を中止すると、ヘアサイクルの乱れが生じて薄毛が進行する可能性が高まります。
AGAは一定期間の治療で完治することは難しく、継続的な治療が必要です。
ある程度発毛したことで薄毛が気にならなくなり、服用の中止を検討する方もいますが、基本的にはおすすめしません。