AGAになると髪の毛が抜けてまた新しく毛が生えるヘアサイクルのリズムが崩れてしまいます。
結果、新しい髪の毛が生えてすぐ抜けるなど、抜け毛が増えて薄毛が気になるようになります。
AGAが及ぼすヘアサイクルへの影響とヘアサイクルの改善方法を解説します。
AGAによってヘアサイクルの乱れが起きる
AGAは、ヘアサイクルの乱れを引き起こす原因となります。
AGAになると髪の毛が十分に成長せずに抜け落ちてしまい、十分に成長した硬く太い毛が少なくなり、柔らかく細い軟毛が増えていきます。
髪の毛が十分に成長しなくなってしまうのは、DHT(ジヒドロテストステロン)が原因だと言われています。
テストステロンが5α-還元酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)へと変化します。
DHT(ジヒドロテストステロン)は、通常なら2年~6年程度ある髪の毛の成長期を、数ヶ月~1年程度にまで短縮してしまいます。
その結果、髪の毛のボリューム感がなくなり、薄毛が進んでいきます。
ヘアサイクルについて
髪の毛は1日に約0.3mm、1ヶ月で約1cmといった具合に数年の間伸び続けます。
髪の毛が伸びてやがて伸び方が落ち着き、抜け落ちるまでの周期をヘアサイクルと言い、ヘアサイクルは、成長期・退行期・休止期の3つに分かれています。
男性のヘアサイクルは、通常3年~5年で1周すると言われています。
女性のヘアサイクルは、通常4年~6年で1周すると言われていて、男女で差があります。
成長期
成長期は、髪の毛が伸びて成長していく期間のことです。
毛母細胞が分裂することで髪の毛が生成されますが、成長期は毛母細胞の分裂が特に活発な時期となります。
成長期における髪の毛全体の割合は、85%~90%を占めると言われています。
退行期
退行期は、成長期の次の段階で、毛母細胞の分裂に欠かせない毛乳頭細胞の働きが弱くなる期間です。
その結果、髪の毛の成長が徐々に止まり、休止期へと移行していきます。
退行期の期間は2~3週間程度であり、髪全体の1%を占めると言われています。
休止期
休止期は、髪の毛の成長が完全に止まる期間です。
毛乳頭細胞が縮小し、栄養の供給が止まることで髪の毛の成長が止まります。
休止期は新しい髪の毛を作る準備期間とされており、3~4ヶ月続き、髪全体の10%~20%を占めると言われています。
AGA以外でヘアサイクルに影響を及ぼすもの
AGA以外でもヘアサイクルに悪い影響を及ぼすものがあります。
日々の生活の中で影響する生活習慣や食生活が挙げられます。
生活習慣
生活習慣は、ヘアサイクルに影響を及ぼします。
ヘアサイクルはホルモンの分泌に関わりがあるため、睡眠不足や疲労の蓄積によってホルモンバランスが崩れると、ヘアサイクルを乱す原因となります。
また、ストレスによって交感神経が優位になると血管が収縮してしまいます。
血管が狭くなり毛乳頭細胞へ十分な栄養が供給されなくなってしまうことからヘアサイクルが乱れに繋がります。
食生活
食生活の乱れもヘアサイクルに悪影響を及ぼします。
- バランスのいい食事が取れていない
- 高塩分高脂肪なファストフードやコンビニでの食事が多くなってしまう
- 時間の不規則な食事
これらの食生活の乱れにより、髪の毛を生成するために必要な栄養が不足してしまいます。
ヘアサイクルへの影響に関するよくある質問
ヘアサイクルへの影響に関するよくある質問をまとめました。
Q1. 毎日ワックスを使っていますが、ヘアサイクルに悪影響ですか?
A1. ワックス自体は問題ありませんが、髪の毛の根本につけ過ぎると毛穴が塞がり、頭皮環境を悪化させる可能性があります。
ワックスをつけたまま寝てしまうと頭皮の毛穴づまりを起こす場合もありますので、しっかりとシャンプーで洗い流す必要があります。
Q2. シャンプーの仕方で注意することはありますか?
A2. しっかり洗い流すことは大事ですが、洗いすぎには注意が必要です。
洗いすぎることで頭皮に必要な油分や皮脂までも洗い流してしまう可能性があります。
シャンプーやリンスなど、洗い残しがないように優しく洗いましょう。
Q3. パーマやカラーはヘアサイクルに影響を与えますか?
A3. 頻度が高くなければ、頭皮環境への負担は少ないと言われています。
頻度が高いほど頭皮への負担が増え、ヘアサイクルに影響を与える場合がありますが、適切なヘアケアを行うことで負担を軽減できます。
乱れたヘアサイクルを改善する方法
AGAにより乱れてしまったヘアサイクルを改善する方法をご紹介します。
AGA治療薬
乱れたヘアサイクルを改善するには、AGA治療薬がおすすめです。
AGA治療薬である、プロペシア(有効成分:フィナステリド)やザガーロ(有効成分:デュタステリド)を服用することで、ヘアサイクルを正常化することが期待できます。
プロペシアやザガーロは、服用から半年程度でヘアサイクルが正常化していき、髪の毛が太く長く伸びるようになっていきます。
髪の毛が抜け、また新しい髪が生えるヘアサイクルを通常の周期に整えるために、服用後、髪の毛が抜けてしまう初期脱毛が起きる場合があります。
初期脱毛はAGA治療薬が効果を表している証ともいえますので、初期脱毛のタイミングで服用を中止しないようにしましょう。
フィンペシア |
デュタストロン |
フィナステリド+ミノキシジル |
デュタステリド+ミノキシジル |
|
特徴 | 5-α還元酵素Ⅱ型を阻害しヘアサイクルを改善 | 5-α還元酵素Ⅰ型・Ⅱ型を阻害しヘアサイクルを改善 フィナステリドより効果が高い |
ヘアサイクル改善+発毛促進で薄毛を改善 ミノキシジル内服薬のセット |
ヘアサイクル改善+発毛促進で薄毛を改善 ミノキシジル内服薬のセット |
成分 | フィナステリド/1mg | デュタステリド/0.5mg | フィナステリド/1mg ミノキシジル/5mg・10mg |
デュタステリド/0.5mg ミノキシジル/5mg |
内容量 | 1箱30錠~ | 1箱30錠~ | 1セット200錠 | 1セット190錠 |
メーカー | Cipla | Asle pharmacenticals | Asle pharmacenticals | Asle pharmacenticals |
価格 | 30錠 1,350円~ | 30錠 2,700円~ | 1セット 6,750円~ | 1セット 8,800円~ |
生活習慣を整える・バランスの取れた食事
規則正しい生活や適度な運動を行い生活習慣を整えましょう。
生活習慣を整えることでホルモンバランスが整い、健康的な髪の毛の成長を促すことができます。
また、良質な栄養を摂り、栄養を蓄えた血液を体に巡らせることも大切です。
タンパク質、ミネラル、亜鉛、ビタミンB2、B6といった栄養素を十分に摂取することで、健康的な髪を保つことができます。
脂っこい食べ物、塩分が多い食べ物を摂り続けてしまうと、頭皮環境を悪化させてしまいます。
バランスの偏った食事やファストフードなどの食べ過ぎには気をつけましょう。
ヘアサイクルが正常になったサイン
毛髪や頭皮の状態が以下のようになっていたらヘアサイクルが正常になっているサインです。
個人差があるため、すべてに当てはまるとは限りませんが、目安にしてみてください。
・髪の毛が濃く太くなってきた
・1日数百本→1日100本程度へと、抜け毛の量が減る
・手で頭を抑えたときに以前より頭皮が遠く感じる
・ヘアセットがやりやすくなった
詳しく知りたい場合は検査キットがおすすめ
AGAの発症リスクを、髪の毛数本を送付するだけで検査してもらえるキットがあります。
AGAのリスクを数値化してくれるので、治療の方針を立てやすくなり、また自分のヘアサイクルが正常に戻ったか数値で確認できます。
髪の毛を数本カットしてキットに記載された検査所へ送ると、2~3週間でAGAに関するレポートがメールで送られてきます。