フィナステリドは、AGA治療で多く使用される医薬品です。
現在は日本国内でも13,000以上の医療機関で処方されているほど、男性の薄毛には欠かせない治療薬になります。
効果や効能以外にも、フィナステリドの副作用について知識を事前にもっておけば、使用するうえで安心です。
この記事では、フィナステリドの副作用や頻度について解説していきます。
フィナステリドの副作用と頻度
以下は、報告されているフィナステリドの副作用と頻度になります。
・勃起機能不全(0.7%)
・射精障害(0.4%)
・胃不快感(0.4%)
・ほてり(0.4%)
どのような医薬品にも副作用のリスクがあるように、安全性が高いフィナステリドでも発現する可能性があります。
リスクに備えておいて損をすることはないため、万が一副作用が発現したときのために、知識をもっておきましょう。
参考:医療用医薬品 : プロペシア (プロペシア錠0.2mg 他)
フィナステリドの副作用が現れる確率
フィナステリドで副作用が現れる確率は、9%と報告されています。
これは、先発薬プロペシアの承認時におこなわれたデータです。
安全性試験の評価対象例数276に対して、副作用が発現したケースは12件でした。
発現率は低いですが、フィナステリドの副作用には個人差があるため、体質や健康状態に左右されます。
万が一、副作用が発現した場合には経過を観察して、異常がある場合には医師に相談をしてください。
フィナステリドの重大な副作用
フィナステリドの重大な副作用には、肝機能障害が報告されています。
発現は頻度不明となっているため、どのくらいの確立で起こるかは分かっていません。
肝機能障害の副作用については、フィナステリドが肝臓で代謝されることが関係している可能性があります。
発現は0.2%ほどとかなり低い確率ですが、フィナステリド使用中は肝機能障害が起こる可能性があります。
ほかの副作用は命にかかわる症状ではありませんが、肝機能障害は危険な副作用です。
このフィナステリドの副作用には、服用を始める前や定期的に採血をおこなって、リスクを減らす対策をしておきましょう。
参考:プロペシア-添付文書
フィナステリドの気になる副作用
ここまで説明したとおり、フィナステリドでの副作用の発現はかなり低い確率です。
安全性の高い医薬品で、多くの医療機関で使用されていることから、用法・容量を守って使用すれば高い効果も期待できます。
しかし、副作用は医薬品を使用するうえで注意すべき情報です。
ここから、気になる副作用をさらに詳しく説明していきます。
性欲減退・勃起機能不全など
フィナステリドには、性欲減退やED、射精障害など男性器に関係する副作用があります。
勃起のメカニズムに影響を与えるためリスクはありますが、これらはED治療薬などを使用することで改善できます。
バイアグラ・レビトラ・シアリスなどED治療薬は、フィナステリドとの併用が可能です。
性欲減退や勃起機能不全などの症状が気になる場合には、ED治療薬と併用することで副作用を解消できます。
抑うつ症状
フィナステリドの副作用には、抑うつ症状が挙げられます。
気分が沈んだり原因のわからない不安に襲われたりと、精神や身体に影響する症状です。
フィナステリドには男性ホルモンを抑える働きがあるため、抑うつ症状が起こる可能性があります。
うつ病以外で報告されているのは、自殺念慮や自殺企図などです。
カナダでは、フィナステリドの使用と関連が疑われる自殺傾向の症例報告は、1992~2015年1月31までの期間に12件あります。
フィナステリドとの因果関係が明らかではないためとくに注意する必要はありませんが、ホルモンが抑えられることで影響がある可能性があります。
異変を感じた場合は、医師の診断を受けてください。
参考:医薬品安全性情報 Vol.14 No.03(2016/02/10)
ポストフィナステリド症候群(PFS)
ポストフィナステリド症候群とは、服用中や服用中止後も副作用が持続する症状です。
性的な症状や精神的な症状、身体的有害反応などが継続して起こります。
通常、フィナステリドの成分は24時間以内にほとんどが代謝されて体内に残らないため、本来起こりうる症状ではないとされています。
有効な解決方法は、フィナステリドの使用を中止することです。
成分が体内から排出されれば、副作用の症状も改善される可能性があります。
ポストフィナステリド症候群の発症事例は極めて少ないため、現在も研究が続いています。
万が一、フィナステリドの使用中や使用を中止した後も副作用の症状が辛い場合は、念のため専門の医療機関で診察を受けてください。
参考:Post-finasteride syndrome: An emerging clinical problem – PubMed
乳房肥大
フィナステリドの副作用では、乳房肥大が起こる可能性があります。
女性のように、乳房が大きく成長する症状です。
これも頻度不明なため、稀に起こる副作用になります。
原因は、フィナステリドによって男性ホルモンが抑制されて、ホルモンバランスが崩れるためだと考えられています。
この副作用があらわれる可能性があるのは、使用を開始してから2~3年後です。
フィナステリドについて
フィナステリドは、男性の薄毛治療薬です。
有効成分フィナステリドによって、AGAの進行を遅らせる効果が期待できます。
FDAというアメリカの医薬品管理局でも認可されているAGA治療薬で、世界では60ヶ国以上と広く使用されています。
本来は、前立腺肥大症治療のために開発されましたが、現在はAGAに対する有効性や安全性も確立している治療薬です。
フィナステリドの効果
フィナステリドには、抜け毛を抑制する効果が期待できます。
薄毛は、ヘアサイクルが短くなって細い毛髪が増えることや、毛髪が成長する前に抜けることが原因です。
フィナステリドは、薄毛の原因であるホルモンの合成を防いで、ヘアサイクルを正常化します。
そのため、即効性は期待できませんが、毛髪が抜けるまでの短くなっていた期間が戻ることで薄毛の進行を抑えられます。
フィナステリドの服用方法
フィナステリドの服用方法は、1日1回、0.2~1mgまでになります。
成分が排出されて効果が切れないように、24時間間隔で服用してください。
また、日常的に飲酒をしている場合は肝機能が低下している可能性があります。
フィナステリドは食事には影響されませんが、服用は夕食時をなるべく避けましょう。
フィナステリドの副作用に関するQ&A
ここからは、フィナステリドの副作用に関するQ&Aを紹介します。
AGAを改善するうえで、フィナステリドは欠かせない治療薬です。
使用するうえでの注意事項を確認して、副作用を避けるために正しく安全に使用しましょう。
フィナステリドは肝臓に負担をかけますか?
フィナステリドは肝臓で代謝するため、服用をすると一定の負担がかる治療薬です。
発現頻度の低い副作用ではありますが、体質によっては肝機能障害が起こる可能性もあります。
フィナステリドは、長期の服用が必要になります。
血液検査を行うなど、リスクを避ける対策をしておくと安心です。
フィナステリドの副作用で体毛が濃くなることもありますか?
フィナステリドには発毛する効果がないため、副作用で体毛が濃くなることはありません。
SNSや口コミでは稀に投稿されていますが、医学的な根拠はありません。
そのため、体毛が濃くなる症状については、とくに気にする必要はないでしょう。
フィナステリドの副作用で脱毛することがあるって本当ですか?
フィナステリドの副作用では、脱毛は起こりません。
フィナステリドの効果は、薄毛の原因のホルモンを抑えることなので、脱毛の症状は起こらないのです。
しかし、フィナステリドには即効性がないため、服用を始めてすぐにはこれまであった脱毛症状が止まるわけではありません。
フィナステリドの効果があらわれるまでの期間は、一般的に6ヶ月とされています。
ヘアサイクルを正常化している途中でも、改善されるまで脱毛の症状は起こります。
効果を実感するまでは不安に思うかもしれませんが、副作用ではないので安心してください。
フィナステリドは20歳未満も使用できますか?
フィナステリドは、20歳未満の方は使用できません。
安全性と有効性が、20歳未満では確立されていないからです。
フィナステリドを使用できるのは、成人男性に限られています。
副作用のリスクを避けるためにも、成人男性以外は使用しないようにしましょう。
フィナステリドで初期脱毛が起こりますか?
フィナステリドでは、初期脱毛は起こらないとされています。
先述したとおり、フィナステリドの効果は薄毛の原因となるホルモンの合成を防ぐことです。
そのため、フィナステリドが脱毛に影響することは考えにくいとされています。
初期脱毛が起こる治療薬は、発毛効果が期待できるミノキシジルだけです。
ミノキシジルは、健康な毛髪を新しく発毛させる効果があるため、弱っている毛髪が押し出されて初期脱毛が起こります。
フィナステリドとミノキシジルを併用している場合は、初期脱毛が起こる可能性があるため注意をしてください。