AGA治療薬を使っていたり、使ってみようと思っている際に初期脱毛について気になるという方も多いかと思います。
抜け毛や頭皮の地肌が見えてきて気になるからAGA治療薬を使おうと思っているのに初期脱毛が起きる、初期脱毛がすごいと聞くと治療に対してマイナスイメージが出てきてしまいます。
そこで本記事では、初期脱毛とはどういった症状なのか詳しく説明していきます。
初期脱毛が起こる理由や期間、初期脱毛による抜け毛の量などについてまとめました。
AGA治療薬を使うと初期脱毛が起きる
初期脱毛とは、AGA治療を開始した初期段階で発生する抜け毛が増えてしまう症状です。
抜けるのを待つだけとなっている、AGA治療を行う前に生えていた細く短い髪の毛が、治療を始めると薬の作用で一気に抜けていきます。
それまでと違って大量の髪の毛が抜けていくので、驚く方が多く不安になることも多いですが、AGA治療を始めた時にはよく起こる現象のひとつです。
初期脱毛が起きる理由や期間、抜ける髪の毛の量など治療をしていく上で気になる点を紹介していきます。
初期脱毛が起きる理由はヘアサイクルを正常化するため
AGAになるとヘアサイクルが乱れてしまいます。
頭皮に生えている髪の毛は、そこにずっと同じものが生えているわけではありません。
髪の毛が生えて、伸びて成長し、脱毛するという一連の流れを繰り返し行うことをヘアサイクルと言います。
AGAになると、髪の毛が成長する期間が通常よりも短くなり、すぐに抜け落ちてしまいます。
正常なサイクルで髪の毛が成長できなくなってしまうことがAGAや薄毛の原因です。
AGA治療を始めると、乱れたヘアサイクルを通常の状態に戻す過程で、抜け落ちるのを待っていた細く短い不健康な髪の毛が抜けていきます。
上記の症状が初期脱毛です。
頭皮が新しく健康な髪の毛が生えてくる準備をするために起こる現象とも言えます。
初期脱毛は薬が効いている証拠
初期脱毛は、その時に使い始めたAGA治療薬が効いている証拠とも言えるため、過度に心配する必要はありません。
初期脱毛でたくさんの髪の毛が抜け落ちてしまい驚きますが、この段階で治療薬の使用を止めると、AGA治療の効果を得ることができなくなってしまいます。
一般的にAGA治療薬は、抜け毛を抑制して増毛を促すタイプのものと、発毛を促進して増毛を促すタイプのものがありますが、どちらを使用したとしても初期脱毛は起こりえます。
フィナステリド・デュタステリド
フィナステリドやデュタステリドは、抜け毛を抑制するタイプのAGA治療薬です。
乱れたヘアサイクルを正常化する働きが期待できるAGA治療薬ですが、正常化する際に初期脱毛が起こります。
休止期を迎えた毛髪の奥で、正常なヘアサイクルを持つ髪の毛が生えてこようとするため、充分に成長していない髪の毛が抜け落ちて新しい髪の毛に生え替わります。
ヘアサイクルを正常の状態へ移行する時に脱毛が起こるため、この場合の初期脱毛は、ヘアサイクルがリセットされたものだと言ってもよいでしょう。
ミノキシジル
ミノキシジルは、髪の毛が生えるのを促すタイプのAGA治療薬です。
ミノキシジルを投与すると、発毛が促進される作用によって、頭皮は乱れたヘアサイクルを正常化するために休止期から成長期への移行を促されます。
新しい髪の毛へ生え変わりが促進されるため、休止期に入り成長が停止していた細く短い髪が抜け落ちます。
この場合の初期脱毛は、髪が新しく生まれ変わるための脱毛ともいえます。
初期脱毛の期間
初期脱毛が起こる期間は、AGA治療薬の投与を開始してから、2週間～1ヶ月ほどで起こることが多いです。
初期脱毛の発症の期間は、1～3ヶ月程度とされています。
ただし、初期脱毛の程度は個人差が大きいため、必ずしもこの期間に当てはまるとは限りません。
初期脱毛で抜ける髪の毛の量
初期脱毛で抜ける髪の毛の量は、1日平均200～300本です。
髪の抜け方には個人差があるため、この本数の通りに抜けるわけではありませんが、多い方では500本ほど抜け落ちる場合もあるとされています。
一般的には、AGAになっていない健康な状態での抜け毛は、成人男性の場合で1日に50～100本程度だと言われています。
一般的な抜け毛の2～6倍程度にもなるため、初期脱毛では相当な量の髪の毛が抜けることになります。
初期脱毛が終わる兆候（サイン）はない
初期脱毛が終わる目安や兆候のようなものはありません。
大抵の初期脱毛は、一定期間を過ぎれば気にならなくなることが多いとされています。
初期脱毛は、一般的に1ヶ月～2ヶ月ほどで落ち着くことが多いです。
抜け毛が増えることが気になりますが、気にしすぎることがストレスの原因となることもあります。
初期脱毛はAGA治療薬の効果が出てきているために起こるものなので、そのまま続けることが大切です。
初期脱毛が止まらないときは生活習慣を見直す
一般的に、初期脱毛は1～2ヶ月ほどで落ち着くとされていますが、それ以上続くような場合は、生活習慣を見直してみることをおすすめします。
AGA以外に脱毛が起こる原因として、食生活やストレスが原因となっている場合や、AGA以外の病気を発症している場合が考えられます。
症状によりますが、AGA以外の病気の可能性がある場合、医師に相談や病院を受診してください。
食生活・ストレスが原因の場合もある
食生活が偏っていると、髪の毛を生成するために必要な栄養が不足することがあります。
特に、タンパク質、ミネラル、亜鉛、ビタミン（特にB2、B6）は、健康的な髪を保つために必要な栄養素です。
毎日の食事でこれらの栄養を充分に摂取できていない場合は、摂るように心がけるだけで髪の毛の状態が変わってくるかもしれません。
また、ストレスを溜めた状態が続いている場合も、脱毛を起こす原因となることがあります。
ストレスが溜まると、血管が収縮して血流が悪くなるため、頭皮への血流も悪くなります。
その結果、毛髪へ栄養を充分に行き渡らせることができなくなってしまいます。
軽い運動を行ったり、ゆっくり入浴したりしてストレスを発散することが薄毛の改善につながる可能性があります。
さらに、成長ホルモンの分泌を促すために、質のいい睡眠を取ることもおすすめできます。
睡眠不足にならないように心がけましょう。
AGA以外の病気の可能性もある
初期脱毛が治まらない場合、その脱毛はAGAが原因ではない可能性があります。
AGAに当てはまらない脱毛症には、円形脱毛症や脂漏性脱毛症、外傷によるものや薬剤性のものなど、様々なものがあります。
例えば、円形脱毛症は遺伝的な要因が大きいと考えられており、脂漏性脱毛症であれば、脱毛の原因となっている菌の除去が薄毛の改善につながる可能性があります。
AGAではないことが原因となって脱毛が起こっていると考えられる場合は、一度専門の医療機関で診察を受けてみることをおすすめします。
AGA治療薬と初期脱毛のよくある質問
AGA治療薬と初期脱毛について、よくある質問をまとめましたのでご紹介します。
初期脱毛が起きない場合もありますか？
初期脱毛が起きない場合もあります。
特に、まだ健康な毛髪が生えている段階で早期にAGA治療薬を使い始めた場合や、ヘアサイクルの成長期の段階でAGA治療薬を使い始めた場合などは、初期脱毛が起こらないこともあります。
初期脱毛が起こらないからといって、AGA治療薬の効果が得られていないわけではないので、安心してください。
AGA治療薬は、適切に使用できていればきちんと効いています。
初期脱毛が2回起きる場合がありますか？
初期脱毛が落ち着いた後で、2回目の初期脱毛が起こる場合もあります。
メンズ美容サイトが20代以上の薄毛治療経験がある男性を対象に行ったアンケート調査では、およそ2割の人に2回目の初期脱毛が発症していたとの発表がありました。
また、2回目の初期脱毛の時期は、1回目の初期脱毛の発現から1～6ヶ月以内に起きたとのことです。
2回も大量に脱毛すると不安になりますが、ヘアサイクルを正常に戻すためのものなので、心配しすぎる必要はありません。
初期脱毛時に薬の使用をやめてしまうとどうなりますか？
初期脱毛が起こったことで、AGA治療薬の使用に不安を感じて止めてしまう方がいますが、その場合はAGA治療薬の効果が期待できなくなってしまいます。
AGA治療薬は継続することで効果を発揮する医薬品のため、使用を止めると薄毛が元の状態に戻ることが考えられます。
AGA治療による初期脱毛で不安がある場合は、かかりつけの医師にご相談されることをおすすめします。
