酢酸シプロテロンの効果・副作用・禁忌
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酢酸シプロテロンの目次
酢酸シプロテロンの効果
酢酸シプロテロンは、低用量ピルなどに配合されているプロゲステロン(黄体ホルモン)の一種です。
男性ホルモンの働きを抑える抗アンドロゲン作用があり、皮脂の過剰分泌を抑制してニキビや多毛症の改善に役立ちます。
また、エストロゲン(卵胞ホルモン)と組み合わせた低用量ピルも開発されており、排卵の抑制や子宮内膜の成長を抑える効果があります。
毎日正しく服用することで避妊効果が得られ、高い確率で望まない妊娠を防ぐことが可能です。
酢酸シプロテロンの抗アンドロゲン作用
酢酸シプロテロンには、男性ホルモンの活性を抑える抗アンドロゲン作用があります。
これは副腎におけるアンドロゲン生成を抑制し、男性ホルモンが受容体と結合するのを防ぐことで作用します。
男性ホルモンの作用を抑制することで、皮脂腺の活動が活発になるのを防ぎ、また、ニキビの改善やフェイスラインなどに見られる産毛の成長を抑え、多毛症の改善にも期待できます。
酢酸シプロテロンは、もともと男性の前立腺疾患の治療薬として開発されたホルモン剤です。
現在では、女性のニキビや多毛症の治療に役立てられるほか、性同一性障害を持つ男性が女性的な身体を目指す際のホルモン療法にも使われます。
男性が服用すると乳房が発達し、毛髪や脂肪、筋肉のつき方にも変化が現れ、女性らしい身体的特徴が現れやすくなるとされています。
酢酸シプロテロン配合の低用量ピル
酢酸シプロテロン単体では避妊効果は得られませんが、エストロゲンと併用することで高い避妊効果を発揮します。
2つのホルモンが組み合わさることで、体内のホルモンバランスが妊娠時に近い状態となり、脳が妊娠中であると錯覚するためです。
その結果、排卵が抑えられ、子宮内膜の成長も止まるため、精子の受精や着床を防ぐことができます。
また、避妊効果を得られるだけでなく、ニキビや多毛症の改善、月経痛や月経前症候群(PMS)の緩和にも利用できます。
![]() スーシー |
![]() ダイアン35 |
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メーカー | BIOLAB社 | バイエル社 |
有効成分 | 酢酸シプロテロン /エチニルエストラジオール |
酢酸シプロテロン /エチニルエストラジオール |
1シート 販売価格 |
730円~ | 1,666円~ |
商品詳細 | 商品詳細 |
酢酸シプロテロンの臨床試験結果
酢酸シプロテロンの配合された低用量ピルを使用して、ニキビに対する治療効果を行った臨床試験があります。
1462名の女性で中度~重度の男性ホルモンが活性化しているニキビ患者を対象に長期的な臨床試験を行いました。
酢酸シプロテロンが含まれる低用量ピルの服用を続けていた結果、3か月で38%、1年で91%のニキビ改善が認められました。
上記の結果から酢酸シプロテロンは男性ホルモンの活性化を防ぐ役割があると認められています。
また、継続を長期的に続けることで、より症状が改善されることも明確化されており、この臨床試験では胸や腹部、顔などに発症した多毛症の改善も認められました。
服用前と比較すると、胸95%、腹部82%、顔60%の割合で多毛症が改善されています。
酢酸シプロテロンの副作用
医薬品には全て副作用というものが存在します。
それは酢酸シプロテロンも例外ではありません。
薬の本来の目的通り働く効果を主作用といい、本来の目的以外で出てしまう効果を副作用と言います。
一般的に薬に含まれる成分は、1つの症状にのみ作用するわけではなく、望む治療効果以外にも作用してしまう場合が多いです。
服用時の体の体調によって副作用が生じる場合や、成分に対するアレルギー症状が副作用として生じる場合があります。
起こりやすい副作用
・頭痛
・悪心
・傾眠
・倦怠感
・不正子宮出血
・消退出血
酢酸シプロテロンの代表的な副作用としては、頭痛や眠気など月経時に起こる不調と類似した症状となります。
これらの不調は酢酸シプロテロンによる効果によって、身体のホルモンバランスが妊娠時に近い状態となるため、起こる一時的な症状です。
非常に低確率ではありますが、同時に配合されている卵胞ホルモン剤の影響によって、激しい胸の痛みや頭痛、視界の低迷などが起こる血栓症が発症する場合があります。
血栓症の疑いがある場合には、すぐに服用を中断して、医師の診察を受けてください。
肝機能障害
酢酸シプロテロンを含む抗アンドロゲン薬は、長期にわたり服用すると肝機能障害が起こる可能性があります。
酢酸シプロテロンは主に肝臓で代謝されるため、長期的な服用によって肝臓にかかる負担が大きくなるためです。
特に、肝臓は異常があっても自覚症状が現れにくいため、長期間の服用では定期的な肝機能検査が推奨されます。
ホルモン療法における副作用
MTFホルモン療法で酢酸シプロテロンを用いる場合に、副作用として肥満や脳血管障害、気分の変動などが報告されています。
また、一部のトランスジェンダー女性においては、性欲の減退がみられる場合もあります。
身体のホルモンバランスの変化による性機能への影響が原因ですが、ホルモン療法を継続するうちに自然と改善されることが多いです。
副作用のリスクを減らすためにも、定期的に医療機関で健康状態を確認し、身体の変化を医師と共有しながら療法を進めることが重要です。
酢酸シプロテロンを服用してはいけない人
酢酸シプロテロンを服用するにあたって以下に該当する方は服用をしてはいけません。
・酢酸シプロテロンに対し、アレルギー反応を起こした経験のある方
・過去に血栓症を患ったことのある方
・乳がん、子宮がんの方
・1日15本以上喫煙する方
・妊婦、または妊娠の可能性がある方
・診断の確定していない、性器からの不正出血がある方
・妊娠中に黄疸を起こしたことのある方
・重度の肝障害を患っている方
過去に酢酸シプロテロンのアレルギー反応を起こしたことのある方は再度の服用で過敏症が強く出てしまう恐れがあります。
血栓症を発症したことのある方や、乳がん、子宮がんなどの卵胞ホルモンの働きにより、悪化してしまう恐れのある疾患を持つ方も服用できません。
他の低用量ピル同様に、プルの服用期間中は煙草を吸ってしまうと血栓症のリスクを高めてしまうため、極力禁煙を心がける必要があります。
妊娠している可能性のある方は服用しても効果の確実性がないことから服用できません。
妊娠中に黄疸を起こしたことのある方は服用によって症状が再発する可能性があります。
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参考サイト
・Cyproterone acetate - Wikipedia
・Feminizing hormone therapy - Wikipedia