糖尿病の薬が痩せるって本当?飲むだけで痩せられる薬の正体とは

糖尿病の薬が痩せるって本当?飲むだけで痩せられる薬の正体とは ダイエット

飲むだけで痩せられる“やせ薬”と呼ばれるものに、糖尿病治療薬があります。

近年、ダイエット薬として美容クリニックなどでも処方されていて、高い減量効果があると話題です。

一体、どれくらい痩せることができるのか、興味深いところ。

そこで今回は、糖尿病治療薬の減量効果を徹底調査し、まとめました。
薬の種類などもあわせてご紹介します。

糖尿病で体重が減る薬とは?

糖尿病の治療薬の中で、体重減少の効果を発揮する薬はGLP-1SGLT2阻害薬の2種類です。

この2つは糖尿病の治療薬として使用されていますが、副次的な効果で体重の減少がみられると言われています。

そこでGLP-1とSGLT2阻害薬はどれくらい痩せられるのか、それぞれの臨床試験データをもとに調査してみました。

2つの効果や作用についても詳しく解説します。

GLP-1受容体作動薬

GLP-1には、経口薬のリベルサスと、注射薬のオゼンピックがあります。

効果としては、食欲を抑え、食べ過ぎを防ぐことで、食べる量を減らし体重を落とすことです。

実際にどれくらい体重が減るのか、2型糖尿病患者を対象に行われた臨床試験データをみてみましょう。

下記は体重変化について、投与から26週間後の結果です。

プラセボ群(成分を含まない偽薬の服用者)と比較した結果

3mg:-0.2kg
7mg:-1.0kg
14mg:-2.2kg

参考:PIONEER 10:デュラグルチドとの比較検討試験 | 臨床成績 | MSD Connect

試験の結果からみると、とくに7mgと14mgでは体重が減少していることが明らかです。
また、mg数の増加にともない、体重の減る量も増えています。

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SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬の効果は、糖の再吸収を防ぎ、体内にある余分な糖を排出することです。

1日あたり60~100g、カロリーに換算すると200~400kcalの糖を排出することで体重を減少させることができます。

実際にどれくらい体重が減るのか、フォシーガの臨床試験データから見てみましょう。
下記は1型糖尿病患者、18~75歳を対象とした、投与から24週間後の体重変化についてです。

プラセボ群(成分を含まない偽薬の服用者)と比較した結果

【1回目】
5mg:-2.56㎏
10mg:-3.17㎏

【2回目】
5mg:-2.56kg
10mg:-2.90kg

参考:2.5 臨床に関する概括評価フォシーガ®錠

試験の結果から、5mgでは-2.5㎏、10mgでは3kg前後の体重の減少です。

SGLT2阻害薬には、フォシーガ、ジャディアンス、カナグルなどがあります。

フォシーガ ジャディアンス カナグル
フォシーガ ジャディアンス カナグル
有効成分 ダパグリフロジン エンパグリフロジン カナグリフロジン
価格 28錠 6,300円~ 30錠 4,950円~ 30錠 5,940円~
商品詳細 商品詳細 商品詳細

太りにくくなる糖尿病の薬もある

糖尿病の薬の中には、体重を減らすというよりも、太りにくくする薬もあります。

ビグアナイド薬(メトホルミン)、DPP-4阻害薬(ジャヌビア)、αグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ)などです。

これらは、血糖値を下げたりコントロールすることで、体重の増加を防止します。

ダイエットで血糖値を下げることが良いと言われていますが、
太りやすい体は、血糖値が上がりすぎることで、脂肪が溜め込みやすくなるためです。

メトホルミン グルコバイ ジャヌビア
メトホルミン グルコバイ ジャヌビア
分類 ビグアナイド薬 αグルコシダーゼ阻害薬 DPP-4阻害薬
効果 糖新生の抑制作用 血糖値上昇の抑制 血糖値をコントロール
有効成分 メトホルミン アカルボース シタグリプチン
価格 28錠 2,800円~ 90錠 2,700円~ 28錠 6,500円~
商品詳細 商品詳細 商品詳細
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太りやすい糖尿病の薬もある

糖尿病の薬の中には、副作用で太りやすくなってしまう薬もあります。

スルホニルウレア薬(オイグルコン)、チアゾリジン薬(アクトス)、インスリン製剤(自己注射)などです。

これらは、空腹感を増進させるため、過食につながり体重を増えやすくなります。
ダイエット目的で糖尿病の薬を服用する場合は注意が必要です。

なぜ糖尿病の薬で痩せるのか?

なぜ糖尿病の薬で痩せるのか?

糖尿病の10人中9人が、太りすぎることが原因でなりやすくなる、2型糖尿病です。

また糖尿病で太っている人は血糖値が上がりやすく、血管に負担がかかることで深刻な合併症を招くことにもつながります。

そこで薬の服用により血糖値を下げることで、体重を落とし、糖尿病からなる合併症なども防ぐことができるのです。

つまり糖尿病の人は減量することが治療の一環でもあります。

糖尿病治療薬は体重を減らす作用もあるため、自然と痩せることができるのです。

参考:糖尿病の治療ってどんなものがあるの? | 糖尿病情報センター

海外では肥満症治療薬としても使用

肥満率が高く、深刻化する海外では、日本よりも早くに肥満症治療薬が承認され、すでに多くの薬が使用されています。

その中に、実はもともと糖尿病の治療薬として使用されていた薬もあるのです。

日本でも糖尿病の治療薬だったGLP-1やセマグルチドが、肥満症治療薬として承認されました。

たとえば、リベルサスやオゼンピックは糖尿病、ウゴービは肥満症の薬として治療に使われていたため、これらには確実に痩せる効果があるのです。

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痩せる糖尿病の薬の注意点

糖尿病の薬は減量効果がある一方、健康な人が安易にダイエット目的で使用すると、副作用などが強く出てしまう恐れもあるため、注意が必要です。

また、これはどの薬にもいえることですが、薬との相性も重要となります。

副作用による思わぬ健康被害にあわないためにも、必ず自分の体質にあったものを慎重に使用することが大切です。

副作用

糖尿病の薬を服用すると、下記のような副作用が出る恐れがあります。

  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 尿路・性器感染症
  • 低血糖

本来、糖尿病の薬は糖尿病患者が治療のために使用する薬で、痩せることができるのは副次的な効果によるものです。
そのため糖尿病でない健康体の人がダイエット目的で服用すると、これら副作用が強く出る恐れがあります。

体質に合わない薬もある

糖尿病治療薬に限らず、使用した医薬品が自分の体質に合わないこともあります。

どの薬にも言えることですが、薬には自分の体との相性があるのです。
使用したときに副作用が強く出たり、体重の減少がみられない場合は、服用した薬が自分の体質に合っていない恐れがあります。

安全に使用し、しっかりと効果を得るためにも、薬との相性はとても大切です。

上手に使ってダイエット

上手に使ってダイエット

糖尿病治療薬は確実性の高い減量を期待できますが、
一方で副作用が出る恐れや、体質に合わないことで体重が減らないといった可能性もあります。

そのため使用の際は、慎重に服用しましょう。

またダイエットを成功させるためには、適度な運動や正しい食生活を行うことが何より大切です。

薬の効果だけに頼らず、あくまでもサポートとして上手に使いましょう。

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