フィナステリドは、AGA治療には欠かせない医薬品のひとつです。
しかし、飲み方や注意点を理解せずに服用し続けると十分な効果を得られないだけでなく、健康被害のリスクが高まります。
今回は、フィナステリドの注意点や併用禁忌、飲み合わせについて徹底解説していきます。
フィナステリドの注意点
フィナステリドを服用するうえで、いくつか注意しなければいけないポイントがあります。
ここからは、服用に注意する必要がある方やそもそも服用ができない方など、注意点について解説していきます。
フィナステリドの使用を検討されている方は、使用する前にしっかり理解しておくことが大切です。
20未満・女性は使用できない
20歳未満や女性は使用できません。
20歳未満の使用には安全性や有効性が確立されておらず、医療機関でも処方はされていません。
また、男性用に開発されたフィナステリドは女性の薄毛には効果がありません。
それだけでなく、妊娠中や授乳中の方がフィナステリドに触れること自体も大変危険です。
男児を妊娠中の場合、有効成分が胎児の生殖器の発育に影響を与える可能性があります。
男性型脱毛症のみ適応
フィナステリドは、AGA(男性型脱毛症)に対してのみ効果を発揮します。
AGAとは、20歳以降の男性に多くみられる進行性脱毛症で、男性ホルモンの影響が大きく頭頂部や生え際の毛髪が薄くなります。
そのため、AGA以外が原因でおこる円形脱毛症や抜毛症、抗がん剤治療等による脱毛症に対しては効果がありません。
参考:脱毛症(脱毛) – 17. 皮膚の病気 – MSDマニュアル家庭版
服用に注意が必要な人
フィナステリドを服用する際、以下に該当する方は十分に注意が必要です。
発症する確率は非常に低いとされていますが、抑うつ症状を引き起こす場合があると報告がされています。
うつ病との因果関係は不明ですが、自殺念慮や自殺企図などの恐れがあります。
■肝機能障害の方
有効成分であるフィナステリドは肝臓で吸収されるため、肝機能障害を患っている方への使用は推奨されていません。
AGA治療を開始する前に、肝機能に問題がないか血液検査をしておきましょう。
■高齢者の方
非高齢者と高齢者にあらわれる副作用の確率に大きな差はありませんが、加齢による生理機能や代謝機能の低下で、副作用が強くでる可能性があります。
即効性はない
フィナステリドは継続することで効果を発揮するため、即効性は期待できません。
服用し始めてから効果を実感できるまでに6ヶ月ほどの期間が必要とされています。
時間をかけてヘアサイクルを整えていくため、服用していても抜け毛が起こることがあります。
これは、初期脱毛といい正常なヘアサイクルにするために大切な期間なので、途中でやめたりせずに続けていくことが大切です。
また、髪の毛が生えてきたらかといって服用を中止することも、薄毛を進行させる恐れがあります。
副作用がある
フィナステリドの副作用発現率は低いとされていますが、まれに以下の症状があらわれる場合があります。
・勃起機能不全
・食欲減退
・肝機能障害
・抑うつ症状
ある調査によると、副作用発現率は全体の2%ほどであったと報告されていますが、少しでも異常がある場合はすぐに医療機関へ受診してください。
献血はできない
フィナステリドを服用している期間は献血できません。
フィナステリドが血液に含まれていると、輸血を介して妊娠中や授乳中の方の体内に入った際、胎児へ影響を及ぼす危険性があります。
そのため、献血をする場合は1ヶ月ほど服用を中止する必要があるのです。
参考:服薬と献血について|福岡県赤十字血液センター|日本赤十字社
正しい服用方法を守る
1日1回、必ず決まった時間に服用してください。
フィナステリドは約24時間作用するため、時間帯がずれてしまうと効き目がなくなる時間ができてしまうのです。
また、一度にたくさんの量を服用したからといって、高い効果を発揮できるわけではありません。
用法用量を守って服用することが重要です。
フィナステリドの併用禁忌
フィナステリドに併用禁止薬はないため、常用薬がある方でも問題なく服用可能です。
常用薬との併用が心配な方は、医師や薬剤師に相談したうえでの服用をおすすめします。
常用薬の種類や体調によっては、思わぬ副作用があらわれる可能性があります。
フィナステリドと飲み合わせ
フィナステリドと併用することで、より高い効果を発揮できる医薬品や副作用が出た場合に服用をすすめられる医薬品があります。
ここからは、飲み合わせについてご紹介していきます。
フィナステリドとミノキシジル
フィナステリドとミノキシジルの併用で、効率的に薄毛の改善ができます。
ミノキシジルは、内服薬・塗り薬どちらもフィナステリドとの併用可能です。
フィナステリドは抜け毛の進行を抑え、ミノキシジルは発毛を促す役割を果たします。
それぞれメカニズムが異なる医薬品を組み合わせることで、AGA治療効果を高めることができるのです。
商品名 | フィナステリド+ミノキシジル |
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成分 | フィナステリド/1mg ミノキシジル/5mg・10mg |
セット内容 | フィナステリド100錠 ミノキシジル100錠 |
メーカー | Asle pharmacenticals |
価格 | 1mg/5mg 6,750円~ |
1mg/10mg 7,500円~ |
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フィナステリドとザガーロ
フィナステリドとザガーロの飲み合わせは避けましょう。
どちらも男性ホルモンに作用し抜け毛の進行を抑える医薬品のため、一般的には併用することはありません。
同じような効果がある医薬品を同時に服用することで、副作用が強くでる危険性があるためです。
併用はできませんが、フィナステリドを服用していて効果が薄いと感じた場合に、ザガーロに切り替えることは可能です。
フィナステリドとバイアグラ(ED治療薬)
フィナステリドとバイアグラの併用は問題ありませんが、フィナステリドの副作用によってEDになる可能性があります。
副作用で男性機能障害が起こっても、バイアグラやシアリスなどのED治療薬と組み合わせることが可能です。
また、バイアグラの併用禁止薬にフィナステリドは含まれないため、バイアグラ服用中に抜け毛が気になり始めた場合も、AGA治療を開始することができます。
フィナステリドとグレープフルーツ
フィナステリドを服用中は、グレープフルーツの果実やジュースは控えることをおすすめします。
グレープフルーツにはポリフェノールの一種であるフラボノイドが含まれており、肝臓の代謝を阻害する作用を持ちます。
そのため、フィナステリドがうまく代謝されず体内に成分が長時間留まることで、強く効果がでてしまう恐れがあるのです。
フィナステリドの注意点や併用に関するQ&A
フィナステリドはAGA治療に大変有効な医薬品です。
しかし、長期的に服用していくうえで、ここまで解説してきた注意点のほかにも気になる点がある方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、フィナステリドの注意点や併用に関するよくある質問にお答えしていきます。
フィナステリドの使用を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
フィナステリドは薬局で買えますか?
フィナステリドは処方箋医薬品に分類されるため、医師の診察を受け処方箋を発行してもらう必要があります。
医師や薬剤師から適切な服用方法などの指導を受けることを前提として製造されているため、薬局やドラッグストアでは購入できません。
日本国内で処方してもらう場合は、AGAクリニックを受診し処方してもらいましょう。
フィナステリドは妊活中や妊娠に影響しますか?
妊活中の男性がフィナステリドを服用した場合、胎児に影響はしないといわれています。
海外データによると、1日1回1mgを6週間継続した場合、精液中への移行量はわずか0.00076%以下であったと報告されています。
フィナステリドの成分が胎児に悪影響を与える可能性は極めて低いですが、不安であれば妊活中は服用を控えるとよいでしょう。
妊活中の男性がフィナステリドの服用は特に問題ありませんが、パートナーである女性がフィナステリドに触れることがないよう注意してください。
有効成分が肌に接触しただけでも吸収されてしまい、胎児に影響を及ぼしかねません。
参考:医療用医薬品 : プロペシア (プロペシア錠0.2mg 他)
フィナステリドは食事と一緒に飲めますか?
フィナステリドは食事の影響を受けないため、服用タイミングに決まりはありません。
ただし、必ず毎日同じ時間帯に服用してください。
24時間おきに服用することで、血中濃度が安定し効果が高まるといわれています。
フィナステリドと抗生物質を併用しても問題ありませんか?
フィナステリドと抗生物質の併用はとくに問題はありません。
しかし、その日の体調や抗生物質の種類によっては、副作用が強くでてしまう恐れがあります。
風邪薬など病院で処方してもらう場合は、あらかじめフィナステリドを服用中であることを医師へ伝えてください。