梅毒感染者が増加傾向

梅毒感染者が増加傾向 STD(性感染症)

近年増え続けている病気のひとつとして名前が上がるものに梅毒があります。

国立感染症研究所の発表によると、2018年11月4日までに報告された患者数は5811人とされます。

ただしこれは届け出があった治療者の数になるため、実際のところ治療していない、症状に気が付かずにいる人も想定すると、その数は10倍以上になるとも考えられています。

梅毒とは?

梅毒とは梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌による感染症です。

人間を主な宿主とし、性行為やオーラルセックス、キスにより、性器、肛門、口などの粘膜の小さな傷などから血液に侵入し全身に症状が現れます。

古くから不治の病として恐れられてきた梅毒も、1940年代に画期的な治療薬としてペニシリンが登場してからは治る病気となりました。

戦後何度かの流行はあったものの、90年代以降は感染が減少し、もはや過去の病気となっていた梅毒が、なぜこれほど増えてきたのか。

理由は明確ではないとされますが、感染者の増加年数と照らし合わせると、海外からの旅行者の増加やSNS利用者の拡大が、その理由を担っているのではと言われています。

梅毒感染の経路

梅毒の感染者は世界的にも増加しているとされ、海外からの感染者の来日や国内の旅行者が海外から感染して戻り、国内に感染が広がっているではと言われています。

国内の感染の一例として、海外からの梅毒感染者が日本の風俗サービスを利用し、女性へ感染します。

その後うつされた女性からまた別の男性へと感染するパターンが考えられます。

風俗店でのコンドームの使用や性病検査は行われていても、完全に管理するのは難しいのだそうです。

その他、SNSの利用者や出会いを目的としたマッチングアプリの使用率の拡大に伴い、連絡先の交換が容易になり、複数の相手との気軽な性交渉が増加していることも拍車をかけている可能性が高いようです。

原因として可能性が高いからと、海外の渡航やSNS、マッチングアプリに規制をかけるのもあまり得策ではないように思います。

重要なのは一人一人の危機意識であり、梅毒がどのような病気なのか、どんな感染経路があるのかなど、身近な問題として認識しておくことです。

梅毒感染の症状

梅毒の特徴として初期段階の症状では小さな赤いニキビのような隆起がぽつぽつと現れますが、特に痛みが無く、3~12週間ほど経つと自然に消えてしまうため、なかなか気が付きにくいとされています。

この段階では自覚症状があまりないため放置してしまい、別の人へ感染させてしまいます。

感染後3ヶ月~3年の間に再度症状が現れることで梅毒の感染に気が付くことが多いようです。

手のひらや足の裏、腕や太もも、背中などに赤い発疹が複数現れます。

形がバラに似ていることから「バラ疹」と呼ばれています。

これは血液を通して梅毒が繁殖し全身に広がっていることを示しています。

現在は医学の進歩により、この段階でもまだ抗生物質の服用で治療はできるとされています。

しかしこれ以上の放置は、その後失明や体の麻痺、重篤な疾患に繋がる恐れがあります。

妊娠中の梅毒感染

最も警戒が必要なのは妊娠中の梅毒の母子感染です。

母親から胎児へ感染すると「先天梅毒」となり、出産後対処が遅れたりすると失明や難聴などの後遺症になる場合があります。

梅毒の予防方法と対策

予防としてコンドームの使用は有効ではありますが、粘膜を介しての感染になるので完全に防げるとは限りません。

複数の相手との性交渉は、梅毒に限らず様々な性感染症へのリスクが高まるものです。

梅毒増加の状況に対して、自治体では検査を呼び掛けたり、地域によっては無料の検査を実施している自治体もあります。

早期発見すれば治る病気ですので、ちょっとでも疑いがある場合はすぐに検査を受け、治療を開始してください。

どうしても人目に付くのが恥ずかしいという方には、通販などで検査キットの購入ができますので利用してみましょう。

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参考サイト

梅毒患者5811人=99年以降で最多に-感染研

今、日本で急増している「梅毒」

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