骨粗しょう症の薬が薄毛にも効果あり?

骨粗しょう症の薬が薄毛にも効果あり? AGA(男性型脱毛症)

すでにある医薬品の副効果から新しい効果を得る事例がいくつかありますが、骨粗しょう症の治療薬から、薄毛の改善に期待できる効果が発見されました。

新たな薄毛改善の治療薬の誕生が期待されます。

マンチェスター大学の研究

今回イギリスのマンチェスター大学の研究チームの発表によると、骨粗しょう症の治療薬の新たな副効果として、薄毛治療に効果が期待されることが発見されました。

ことの発端は「シクロスポリンA」という成分にあります。

この成分は一般的に、臓器移植をした患者に対して使用され、移植により起こる拒絶反応を抑制させる効果がある、自己免疫疾患の治療薬です。

使用にあたり体の痙攣(けいれん)や下痢などの副作用がある成分ですが、一部の患者に育毛効果があると確認されました。

科学誌「プロスバイオロジー(PLOS Biology)」によると、シクロスポリンAには発毛を抑制するタンパク質「SFRP1」の働きを抑える効果があることが発見されました。

しかしシクロスポリンAは開発年代が古い薬のため、副作用が強く現れるため、薄毛の治療に使用するのは不向きと見られました。

骨粗しょう症の薬に注目

そこで同じ働きをする成分として注目されたのが、骨粗しょう症の治療薬に使用される化合物「WAY-316606」です。

実験の結果、毛髪移植手術患者から提供された「ヒト毛包」へ投与すると、毛髪の成長が強化したと結果が出たそうです。

さらにシクロスポリンAより育毛効果が高く、副作用も軽いため、男性に限らず女性の薄毛にも効果があると研究チームは見解を示しています。

研究が成功すれば、脱毛抑制の効果のある成分「フィナステリド」や、発毛効果のある「ミノキシジル」に次ぐ、これまでに無い新しい毛髪成長作用が発見されたことになります。

新たな薄毛治療薬に期待

さらに研究が必要であるとして、今後臨床試験を通じて実際に使用しての人に対する安全性や有効性を検証していくとのことです。

この発表を受けニューヨークの皮膚科医ドリス・デイ氏は「薄毛の予防と毛髪の再生を助ける、恒久的な手段の発見に1歩近づいた」と新薬の開発に繋がる可能性を評価しています。

副作用が少なく薄毛治療に効果のある成分が誕生するのは、現在薄毛で悩んでいる方には朗報です。

薬の副効果が「毛」にまつわる、プロペシア、ミノキシジル、ルミガンなどへの新たな仲間入りに期待できます。

既存薬再開発(ドラッグリポジショニング)

薬の開発中に本来の目的ではない効果が注目され、その副効果をメインとして再開発・再販売される薬がいくつかあります。

例えば、狭心症の治療薬として開発されていたが、副効果として勃起不全の改善が発見されたのが「バイアグラ」です。

高脂血症の治療薬として開発されていたが、脳卒中や軽度認知障害の改善が発見された「スタチン」、前立腺肥大症の治療薬として開発されたが、AGAの改善に効果が発見された「プロペシア」、緑内障治療薬だったまつ毛育毛剤の「ルミガン」や、高血圧の治療薬だった発毛剤の「ミノキシジル」などがあります。

これは既存薬再開発(ドラッグリポジショニング)といい、既存の薬の為、新規投資が少なく新しい治療薬が開発できるため、医薬品の価格も抑えることが出来るとして、注目を集めている手法です。

新薬に投資が厳しい製薬会社や、既存の治療では効果が得られなかった病気などに対しての利点も、既存薬再開発の導入が増えた理由と言われています。

悩みの解消を手助け

薄毛は身体に大きなダメージがあるような症状ではありませんが、人の視線が気になったり、自分に自信が持てなくなるなど、精神的な苦痛に繋がることもあるものです。

悩みやストレスが1つでも解消されると、人の心は健康になり大きな病の予防となります。

余計な悩みやストレスが解消されず積み重なると、やがてうつ病などの心の病気や体への変調となって現れる可能性もあります。

医学の進歩は想像以上に早いものなので、新しい薄毛治療薬の発売は近いのかも知れません。

その為、今できることをやって近い将来に備えるのがいいと思います。

フィナステリドもミノキシジルも副作用もありますが、その効果については日本皮膚科学会がAGA診療ガイドラインでも推奨度Aランクとされるほど、認められた効果があります。

新薬の誕生するまで、プロペシアやミノキシジルでもう少し髪の毛にはとどまってもらいましょう。

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参考サイト

薄毛治療に朗報? 骨粗しょう症治療薬に育毛効果

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