更年期の女性に起こりやすい微小血管狭心症とは

更年期の女性に起こりやすい微小血管狭心症とは 病気・症状

更年期に差し掛かった女性は、更年期の症状として何を思い浮かべますか?

症状としては、イライラや発汗などを挙げる人が多いと思います。

しかし、更年期のときにはその他にも注意していただきたい症状や病気があります。

更年期には狭心症のリスクがあります。

1割の女性に狭心症

狭心症は、心臓の血管が狭くなり、胸に痛みが生じる病気です。

従来、男性に多い病気とされてきましたが、更年期の女性では約1割の人がこの狭心症にかかることがあります。

症状には、胸の痛みがあり、更にこの胸の痛みは長時間続くという特徴があります。

直接命に関わることはありませんが、生活に支障をきたすことがあります。

また、治療法が通常の治療法とは異なります。

診断が難しい

朝方に長く、細い感じの胸の痛みがあり、短いと30分程度で、長くなると1日中痛みが続くということがあった、62歳の女性は、近所の病院を受診しました。

心電図やカテーテルなどの検査を行いましたが、何の異常もありませんでした。

胸の痛みを抑えるため、血管拡張作用のある、ニトログリセリンを処方されて服用しましたが痛みが取れず、再度病院に受診しました。

胸の痛みや、耳鳴り、頭痛が酷く眠れないなどの症状です。

最終的な診断は、微小血管狭心症でした。

これは、心臓の筋肉の細い血管が収縮しやすくなり、胸、あご、背中などに痛みが起こるという病気です。

カテーテルを使用した血管造影検査では、細い血管が移りにくく、心電図での異常がでるケースが多いとされています。

また、痛みを感じでも、逆流性食道炎や更年期障害のケースもあります。

そのため、MRIなどを活用することで血流の変化から、病気を診断する検査方法を確立されることを目指しています。

微小血管狭心症

微小血管狭心症は更年期の女性に多いとされています。

理由としては、閉経後の血管を拡張する女性ホルモンであるエストロゲン量が減少し、心臓内の細い血管が収縮しやすくなることが原因と考えられています。

一般的な狭心症は男性に多くみられ、冠動脈が硬化し狭くなり、痙攣や血流が悪くなることから、胸に痛みが生じます。

◆狭心症との相違点

一般的な狭心症

・中高年男性に多い

・動いている時に胸の痛みがある

・痛みは5分~10分程度

◆微小血管狭心症

・更年期の女性に特に多く、全般的に女性に多い

・安静時に痛みを感じることが多い

・痛みが持続する(数時間~1日続く場合もある)

・血管造影検査などでは見つかりにくい

・ニトログリセリンよりもカルシウム拮抗薬が効果がある例が多い

微小血管狭心症が報告されてから20年以上経ちますが、循環器専門の医師でも詳しい人は少ないとされています。

そのため、1回の診察で診断ができず、複数の医療機関を巡る人も多いと言います。

また、治療法も異なります。

ニトログリセリンは細い血管を拡張する作用が弱く、カルシウム拮抗薬を服用することで治療していきます。

約9割程度の人が、胸の痛みを軽減することができると言われています。

閉経後の女性は特に注意を

更年期の女性や閉経後の女性に多いとされる微小血管狭心症ですが、そのリスクは約1割ほどと言われています。

また、それ以外の病気にも注意が必要です。

女性はエストロゲンの働きにより血管が守られています。

しかし、閉経後には、このエストロゲンが減少するため、男性同様に一般的な狭心症や心筋梗塞のリスクが高くなります。

女性は男性より5年~10年ほど遅れて発症するとされています。

死因の原因としても80歳異常では男性を上回り、70歳前後からリスクが高くなります。

閉経後にタバコを吸っていたり、糖尿病を発症している場合には、動脈硬化が進む危険もあります。

女性が心筋梗塞を発症してしまうと、重症化し死亡率が高いこともわかっています。

2005年~2009年に心筋梗塞を起こし、24時間以内に入院した男女2714人では、亡くなった男性が5%で、女性は12.4%となり、2倍以上という報告もあるほどです。

女性の場合には、発症しても病院を受診するまでの時間が男性よりも遅いことが原因となる可能性もあります。

女性は男性のように、胸を刺すような痛みという典型的な症状が表れにくいため、危険に気づくのが遅くなってしまうからであると言われています。

女性に表れる症状には、腕のだるだ、息苦しさ、喉が締め付けれられるというものが多く、命に関わる病気であると思わないことがあるようです。

その他にも、男性よりも女性は冠動脈が細く、広がりにくいことも関係があると言われています。

今までは、医療現場で男女同じ病名であれば、症状や治療法も同じであると考えられてきました。

しかし、現在では、性別によって病気の発症度や治療法が異なるという考え方も広まりつつあります。

気になったら病院へ!

更年期の女性は多くの不快感も更年期障害の症状のせいにしてしまうことがあると思います。

しかし、少し痛みが続くな、いつもと違うなと感じたときには医療機関を受診するようにしてください。

更年期ではその他の病気に気づかないこともあります。

しかし、命に関わる病気である場合もあるので、注意が必要です。

また、男女の性差により症状や病気が異なる場合もあります。

しっかりと検査を受け、診断してもらうことが大切です。

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