蕁麻疹や花粉症に効果的な抗ヒスタミン薬を服用しても「効果が感じられない」「効くけど副作用がつらい」と悩んだことはありませんか。
実は抗ヒスタミン薬には、成分や作用の強さに違いがあり、副作用の出やすさも薬によってさまざまです。市販薬だけでなく処方薬を含めれば、症状や生活スタイルに合った薬を選べる可能性があります。
必ずしも強い薬がベストとは限りません。
自分に合う薬を見つけることが、症状を抑えつつ快適に過ごすための第一歩です。
抗ヒスタミン薬ランキング
抗ヒスタミン薬には、大きく分けてドラッグストアで購入できる【市販薬】と、医療機関で処方される【処方薬】があります。
どちらも抗ヒスタミン作用を持つ有効成分を含みますが、強さ、副作用の出やすさ、価格が異なります。
まずは【市販薬】と【処方薬】の2つのカテゴリーに分けて特徴とおすすめ商品を紹介するので、自分に合った薬を見つける参考にしてください。
【市販薬】抗ヒスタミン薬の強さランキング
ドラッグストアで手軽に購入できる市販の抗ヒスタミン薬を、強さ別にご紹介します。
どのような症状の人にむいているのか、効果の出方もあわせてチェックしてみましょう。
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
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商品画像 | ![]() |
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商品名 | レスタミンコーワα錠 | ストナリニZ | アレジオン |
メーカー | 興和株式会社 | 佐藤製薬 | エスエス製薬 |
販売価格 | |||
1錠あたりの価格 |
1位:レスタミンコーワα錠
レスタミンコーワα錠
H₁受容体への結合親和性が非常に高く、ヒスタミン作用を短時間で強力に遮断。
ジフェンヒドラミン塩酸塩がアレルギー反応を抑え、素早くかゆみを鎮めます。
夜も眠れないほどの湿疹・かぶれのかゆみの症状がある方にオススメです。
2位:ストナリニZ
ストナリニZ
花粉、ハウスダスト(室内塵)などの症状を緩和。
1日1回の服用で24時間持続するため、日中・夜間問わず安定した抑制力を発揮します。
抗ヒスタミン作用に加えて、抗アレルギー作用及び抗炎症作用も有するため、発症直後の症状から、その後に現れる症状まで幅広くケアをしてくれます。
3位:アレジオン20
アレジオン20
花粉・ハウスダストなどによるつらいアレルギー性鼻炎症状にお悩みの方にオススメ。
日中に眠気やパフォーマンスの低下を起こしにくく、効果が24時間持続します。
【処方薬】抗ヒスタミン薬の強さランキング
処方薬の抗ヒスタミン薬は、症状や生活スタイルに合わせて選べる選択肢が多いのが魅力です。
抗ヒスタミン薬は第一世代と第二世代が存在し、それぞれに作用や副作用の特徴があります。
第一世代は作用が強く、短時間で効き目を発揮しますが、眠気や集中力の低下といった副作用が生じやすいのが難点。一方で、第二世代は眠気が少なく、効果が長く続くため、日中の使用にも適しています。
こうした特性を理解しておくことで、自分に合った抗ヒスタミン薬を選びやすくなるでしょう。
第一世代の抗ヒスタミン薬の強さランキング
作用の強さを示す指標に「Ki値(阻害定数)nm」があり、この値が小さいほど薬が受容体に強く結合し、症状の抑制効果が高まります。
第一世代については、成分ごとの作用の強さに基づいたランキングになります。
それぞれの成分を含む処方薬の商品もあわせて取り上げました。
ランク | 成分名 | Ki値(nM) | 商品 |
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1位 | ドキセピン | 0.18 | ※Silenor |
2位 | プロメタジン(塩酸塩) | 0.24〜0.33 | ヒベルナ |
3位 | クレマスチン | 0.26 | タベジール |
4位 | シプロヘプタジン(塩酸塩) | 0.43 | ペリアクチン |
5位 | メピラミン(ピリラミン) | 0.43〜 | オイラックス |
6位 | トリプロリジン | 1.06〜1.6 | ※Actifed |
7位 | ヒドロキシジン塩酸塩 | 2 | アタラックス |
8位 | d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(デキストロ体) | 2.9〜 | ベクロミン |
9位 | ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 14.8 | エリアス |
10位 | トリペレナミン(トリペレナミン塩酸塩) | 35 | ※PBZ |
※日本未承認
参考サイト:IUPHAR/BPS GtoPdb他
1位:ドキセピン
ドキセピン | |
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Ki値 | 0.18 |
特徴 | 多彩な作用を持つ |
用途 | 低用量が不眠症、高用量ではうつ病や不安障害に使用される |
商品 | Silenor |
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2位:プロメタジン(塩酸塩)
プロメタジン(塩酸塩) | |
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Ki値 | 0.24〜0.33 |
特徴 | 鎮静作用が強い |
用途 | アレルギー症状、吐き気、乗り物酔い |
商品 | ヒベルナ |
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3位:クレマスチン
クレマスチン | |
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Ki値 | 0.26 |
特徴 | 少量でしっかりとアレルギー症状を抑えることが可能 |
用途 | 蕁麻疹、鼻炎、皮膚のかゆみ、薬疹、急性アレルギー反応 |
商品 | タベジール |
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4位:シプロヘプタジン(塩酸塩)
シプロヘプタジン(塩酸塩) | |
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Ki値 | 0.43 |
特徴 | 食欲増進作用が強い |
用途 | 蕁麻疹、鼻炎、皮膚のかゆみ、薬疹、急性アレルギー反応 |
商品 | ペリアクチン |
商品画像 | ![]() |
5位:メピラミン(ピリラミン)
メピラミン(ピリラミン) | |
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Ki値 | 0.43~ |
特徴 | 主に外用剤成分、かゆみ止め |
用途 | 皮膚炎、蕁麻疹の外用治療 |
商品 | オイラックス |
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6位:トリプロリジン
トリプロリジン | |
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Ki値 | 1.06~1.6 |
特徴 | 眠気少なめ、持続4〜6時間 |
用途 | 鼻炎、風邪薬成分 |
商品 | Actifed |
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7位:ヒドロキシジン塩酸塩
ヒドロキシジン塩酸塩 | |
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Ki値 | 2 |
特徴 | 眠気強い、抗不安・鎮静効果あり |
用途 | かゆみ、不安症状、術前投薬 |
商品 | アタラックス |
商品画像 | ![]() |
リンク | アタラックスの通販ページへ |
8位:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(デキストロ体)
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩(デキストロ体) | |
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Ki値 | 14.8 |
特徴 | 第一世代では眠気少なめ、持続中程度 |
用途 | 鼻炎、蕁麻疹、花粉症 |
商品 | ベクロミン |
商品画像 | ![]() |
リンク | べクロミンの通販ページへ |
9位:ジフェンヒドラミン塩酸塩
ジフェンヒドラミン塩酸塩 | |
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Ki値 | 14.8 |
特徴 | 非鎮静性で眠気は極めて少ない |
用途 | かゆみ、鼻炎、乗り物酔い |
商品 | エリアス |
商品画像 | ![]() |
リンク | エリアスの通販ページへ |
10位:トリペレナミン(トリペレナミン塩酸塩)
ドキセピン | |
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Ki値 | 0.18 |
特徴 | 口のかわき、便秘の副作用あり |
用途 | 他成分と組み合わせて風邪薬としても使用される |
商品 | PBZ |
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第二世代の抗ヒスタミン薬の強さランキング
第二世代抗ヒスタミン薬は、第一世代の欠点を改良した新しいタイプ。
眠気などの副作用が少なめで、作用が長く、1日1回で済む製品も多いです。花粉症や通年性アレルギー性鼻炎などの長期治療に適しています。
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
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商品画像 | ![]() |
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商品名 | クレブロス | アレグラ | ウィノラップ5 |
メーカー | サンタファーマ | サノフィ | サンファーマ |
Ki値(nM) | 3 | 10 | 31.6 |
リンク | クレブロスの 通販ページへ |
アレグラの 通販ページへ |
ウィノラップ5の 通販ページへ |
1位:クレブロス
クレブロス | |
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商品画像 | ![]() |
メーカー | サンタファーマ |
Ki値 | 3 |
リンク | クレブロスの通販ページへ |
レボセチリジン塩酸塩を有効成分としたサンタファーマ社が製造する抗ヒスタミン薬です。
Ki値は第二世代の中では高い3nMを示しており、第一世代に引けを取りません。
2位:アレグラ
アレグラ | |
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商品画像 | ![]() |
メーカー | サンタファーマ |
Ki値 | 3 |
リンク | アレグラの通販ページへ |
安全性と非鎮静性が非常に高く設計されているため、抑制作用は穏やかです。
ヒスタミン誘発試験では、他の第二世代抗ヒスタミン薬と比べて抑制率がやや低い結果が多く、H₁受容体へのKi値は約10 nMと中程度の親和性です。
症状抑制の強さだけで見ると下位ですが、副作用の少なさでは最上位クラスに位置し、日中の活動や運転への影響を極力避けたい患者に適しています。
3位:ウィノラップ5
ウィノラップ5 | |
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商品画像 | ![]() |
メーカー | サンタファーマ |
Ki値 | 3 |
リンク | ウィノラップ5の通販ページへ |
オロパタジン塩酸塩を有効成分としており、Ki値は約31.6 nMと弱めですが、花粉症や蕁麻疹以外に、アトピー性皮膚炎に伴うかゆみなど幅広い症状に対応しています。
【タイプ別】おすすめ抗ヒスタミン薬ランキング
ここまで、抗ヒスタミン薬を強さの観点からランキング形式で紹介してきました。
しかし、薬を選ぶうえで重要なのは効き目だけではありません。眠気や口の渇きなどの副作用をできるだけ避けたい方もいれば、長期間使うからこそ費用を抑えたい方もいます。
そこで最後に、副作用を抑えたタイプと、コストパフォーマンスに優れたタイプそれぞれのおすすめを紹介します。
副作用を抑えたもの
抗ヒスタミン薬は、一般的に効き目が強いほど眠気や口の渇きなどの副作用が出やすい傾向があります。
日中の仕事や運転に支障が出るようでは、どんなに効果が高くても使い続けるのは難しいでしょう。
蕁麻疹や花粉症の症状をしっかり抑えつつ、副作用が少なく日常生活に取り入れやすい薬を紹介します。
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
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商品名 | ウィノラップ5 | エリアス | アレグラ |
商品画像 |
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Ki値(nM) | 31.6 | 14.8 | 10 |
商品詳細 | ウィノラップ5の 通販ページへ |
エリアスの 通販ページへ |
アレグラの 通販ページへ |
コストパフォーマンスに優れたもの
長く使う抗ヒスタミン薬は、価格面も考慮して選ぶことが欠かせません。
花粉症や蕁麻疹などの症状は、シーズン中だけでなく一年を通じて現れることがあります。
そのため、薬代の負担が増えやすく、効果の高さだけでなく経済的に続けやすい条件も重要な判断材料となります。
ここからは、効き目をしっかり保ちつつ価格を抑えた、コストパフォーマンスに優れた抗ヒスタミン薬を紹介していきます。
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
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商品名 | ウィノラップ5 | クレブロス | ストナリニZ |
商品画像 |
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価格(1錠あたり) | 約50円 | 約76円 | 約100円 |
リンク | ウィノラップ5の 通販ページへ |
クレブロス の通販ページへ |
ストナリニZの 通販ページへ |
まとめ
抗ヒスタミン薬は、蕁麻疹や花粉症によるかゆみや鼻水のつらさを和らげてくれる頼もしい存在です。
第一世代は即効性が魅力ですが、副作用が出やすい傾向があります。第二世代は持続性に優れ、副作用も比較的少ないため、日常生活にも取り入れやすいです。
効き目の強さだけでなく、生活リズムや副作用の許容度も考慮しながら、自分に合った薬を選びましょう。