ミノキシジルの効果・副作用・禁忌
ミノキシジルの目次
有効成分ミノキシジルとは

ミノキシジルは、もともと高血圧の治療に用いる血管拡張薬として開発された成分です。
ミノキシジルが身体に吸収されると、身体中の血管が拡張します。
これにより、心臓が血液を送り出す際に発生する圧が低下し、血圧が下がるというのが基本的なメカニズムです。
そんなミノキシジルに薄毛治療の効果があることが認められたのは、1980年代のことでした。
血管拡張作用が頭皮に及んだとき、毛根にある髪を育てる細胞毛母細胞を活性化させることが判明したのです。
血液量が増えることで毛母細胞により多くの栄養がいきわたり、薄くなった頭髪を再び豊かな状態へ戻す作用がミノキシジルのメカニズムです。
現在では外用薬、内服薬の2タイプが世界中で使用されています。
ミノキシジルの臨床試験結果
ミノキシジルには発毛、育毛の効果があると言われています。
実際にどのくらいの発毛効果があるのか、日本でもミノキシジルの臨床試験が行われました。
ミノキシジル5%を長期にわたり塗布するという臨床試験です。
ミノキシジルを塗布した結果、使用開始から8週目で改善率=約10%、16週目で約80%、24週目で約90%が効果がありました。

ミノキシジルの服用方法

ミノキシジルには外用薬と内服薬の2つが存在します。
外用薬
外用薬を使用する際には、1日2回、薬液を塗布するというのが基本です。
塗布量は1回1ml、1回目と2回目の間に8時間ほど間隔を空けるとより効果的です。
内服薬
内服薬のミノキシジルジェネリックを服用する場合は、1日あたり合計5mg分のミノキシジルを摂取できるよう調整します。
服用するタイミングとしては、朝と夜の2回に分けるもしくは毎日決まった時間に5mg分の内服薬を1回服用するというのが一般的です。
注意点
ミノキシジルは血管を拡張させる効果のある成分であるため、外用薬を使用する前、また内服薬を服用する前にアルコールを摂取しないようにする必要があるという点は要注意です。
血管拡張作用が強まってしまう恐れがあります。
またアルコールは肝臓に負担をかけるので、特に内服薬を服用するときは注意してください。
薄毛治療中は飲酒をできるだけ控えることをお薦めします。
服用する時間は?飲み忘れたら?
ミノキシジルを使用して薄毛治療を行う際は、薬効を一定に保つようにしましょう。
毎日決まった時間に使用してください。
特に、錠剤タイプのミノキシジルジェネリックを使用する際は要注意です。
翌日になって飲み忘れに気づいた場合、ついつい昨日の分も一緒に飲もうと思ってしまいがちですが、二日分を一緒に飲まないで下さい。
二日分を一緒に飲んでしまうと、薬効が一定以上になってしまい、ミノキシジルの血中濃度が過剰になってしまいます。
その結果、薬効が強すぎる、副作用が起きやすくなってしまうということが考えられます。
内服薬の場合は頭皮だけでなく体中に少なからず影響を及ぼすので、多毛症や体の紅潮などが起きやすくなってしまいます。
ミノキシジルを使用した薄毛治療は、1日飲み忘れてしまったらそれで無意味になってしまうというものではありません。
焦らず、その日からまた薬効を一定に保つ用量で服用を続けてください。
どのくらいの期間飲めばいい?
ミノキシジルは即効性のある医薬品ではなく、使用を開始してからしばらく継続して使用する必要があります。
ドラッグストアで購入できる外用薬の場合も、通販サイトで購入できる錠剤タイプのミノキシジルジェネリックも同じです。
効果があると実感できるようになるまでの期間は人それぞれですが、一般的には半年間は続ける必要があると言われています。
長期間の治療が必要になりますが、根気よく使用していくことが大切です。
また、最初の数ヶ月間のうちに初期脱毛という現象が起こりますが、これは薄く細い髪が抜け、太くたくましい新しい髪が生えてくる前兆なので気にする必要はありません。
AGAがある程度進行しつつあるという場合にはプロペシアなどのAGA治療薬を併用することでより効率的に薄毛を解消できます。
長期的に服用することで耐性ができる
ミノキシジルを配合した医薬品が思ったより効果を発揮しないとき、薬に耐性ができてしまったのではと思う方が多いようです。
実際、医薬品の中には長期使用をしているうちに体が薬の成分に慣れ、効果が半減してしまう現象が見られます。
ミノキシジルの場合も可能性はないわけではありません。
ただし、ほかの原因も考えられるのであまりにも効かないという場合は医師に相談することをお薦めします。
生活習慣の乱れ
タバコの吸い過ぎや睡眠不足といった生活習慣の乱れによって、ミノキシジルの効果が薄まってしまう可能性があります。
たとえばタバコに含まれるニコチンには血管収縮作用があり、ミノキシジルによる血管拡張作用を相殺して効果を半減させてしまう可能性があります。
睡眠不足によるストレスもまた、血管を収縮させてしまいます。
ミノキシジルが効きにくいというときは、生活を振り返ってみることが必要です。
ミノキシジルの副作用

医薬品には全て副作用というものが存在します。
それはミノキシジルのジェネリック医薬品も例外ではありません。
薬の本来の目的通り働く効果を主作用といい、本来の目的以外で出てしまう効果を副作用と言います。
一般的に薬に含まれる成分は、1つの症状にのみ作用するわけではなく、望む治療効果以外にも作用してしまう場合が多いです。
服用時の体の体調によって副作用が生じる場合や、成分に対するアレルギー症状が副作用として生じる場合があります。
起こりやすい副作用
・頭痛
・多毛症
・身体のむくみ
・皮膚の紅潮
いずれもミノキシジルの持つ血管拡張作用と発毛促進作用によって起こる現象で、特に多毛症は内服薬の副作用として挙げられます。
どれも一時的な症状であり、深刻に捉える必要はありませんが、症状が重い場合や長引く場合には、直ちに医療機関で診察を受けてください。
重篤な副作用
・肝機能障害
異常なけん怠感や黄疸といった症状です。
ミノキシジルは体に吸収された後、肝臓で分解・処理されて体外へと排出されますが、その際肝臓に負担がかかってしまします。
軽い副作用は効果のあらわれ?
医薬品による副作用の中には、効果が現れている証拠といえるものもあります。
たとえばミノキシジルの場合、初期脱毛と呼ばれる副作用が現れることがあります。
服用を始めてしばらくすると髪が一気に抜け始める現象です。
脱毛を治したいのに髪が抜けるなんてと驚く方もいると思いますが、特に心配する必要はありません。
有効成分のミノキシジルには、ヘアサイクルの短縮化を止める働きがあります。
その結果、ヘアサイクルが正常に戻り、長く太く丈夫な新しい髪が生えるようになります。
このとき、AGAの影響を受けて毛根に残った細く弱々しい古い髪が抜けていきます。
初期脱毛でパラパラと頭皮から離れていくのは、この古い髪の毛です。
これから新しい髪が生えてくる=AGAから回復しつつある証拠であると言えます。
ミノキシジルを服用してはいけない人
・ミノキシジルによるアレルギー症状の既往歴のある方
アレルギー症状がある場合はお控え下さい。
・円形脱毛症や甲状腺疾患で脱毛症が見られる方
円形脱毛症や甲状腺疾患で脱毛症の場合は原因が違います。ミノキシジルではいい効果を期待することができないので、医師に相談をして治療を受けてください。
・20歳未満の方
未成年の場合は安全性が確立されていません。医師にご相談ください。
・女性(女性用の製品もあるため、使用の際には注意が必要です。)
女性の場合は、用量が多いと効果が強すぎてしまう場合があります。
・妊婦の方
妊婦の場合は胎児の心臓への負担が大きくなってしまう可能性があります。必ず医師にご相談ください。
ミノキシジルの併用禁忌・注意
併用禁忌薬はミノキシジルと一緒に服用することで体に重大な影響を与えてしまう可能性のある医薬品です。
ミノキシジルを服用する際には、自分が現在服用中の薬をしっかりと確認する必要があります。
併用注意薬はミノキシジルと一緒に服用することで体に様々な影響が及ぶ可能性があり注意が必要な医薬品です。
薬の効果を弱めてしまったり、逆に強めてしまう場合があるので、注意してください。
頭皮に塗布するタイプの外用薬リアップには併用禁忌薬がありませんが、一方で錠剤タイプのミノキシジルジェネリックにはいくつかの併用禁忌薬があります。
・イブプロフェン
市販の風邪薬などにも含まれている場合があります。
・ED(勃起不全)治療薬
ED治療薬には血管拡張作用があるため、血管拡張作用があるミノキシジルと併用した場合急激に血圧が下がる恐れがあります。
・イミグラン
偏頭痛薬に含まれている成分です。
脳内の血管収縮作用があるため、血圧のコントロールができなくなる恐れがあります。
関連ページ
その他のAGA治療薬
参考サイト
・ミノキシジル - Wikipedia
・一般用医薬品 : リアップ