レムデシビルの副作用は?新型コロナウイルスの治療薬

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新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省など公的機関で発表されている情報をご確認ください。 また新型コロナウイルスのワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。新型コロナウイルスの治療薬として承認されているレムデシビル。
レムデシビルがどんなお薬なのか解説しつつ、副作用についてまとめました。
※点滴薬となっているため、病院処方でのコロナ治療薬となります。
レムデシビルとは
レムデシビルは、もともとエボラウイルス感染症の治療薬として開発された医薬品です。
現在は、新型コロナウイルスに対する治療薬として、承認されています。
日本では、「ベクルリー点滴静注液 100mg/ベクルリー点滴静注用 100mg」という名前です。
抗ウイルス薬に部類される
抗ウイルス薬 | レムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビル/リトナビルなど |
---|---|
中和抗体薬 | カシリビマブ/イムデビマブ、ソトロビマブなど |
免疫調整薬・免疫抑制薬 | デキサメタゾン、バリシチニブ、トシリズマブなど |
レムデシビルは、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬に部類されます。
抗ウイルス薬であるレムデシビルは、軽症~重症まで適応がありますが、軽症者へは重症化リスクがある方に限られます。
作用機序

レムデシビルは、RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬です。
RNA依存性RNAポリメラーゼは、ウイルスゲノムの複製を行います。
複製する働きを妨げる効果があるため、ウイルスの増殖を抑制します。
軽症~中等症Ⅰ:3日間(初日200mg、以後100mgを1日1回)
中等症~重症:5日間~10日間(初日200mg、以後100mgを1日1回)
※酸素投与が必要となった場合、効果が期待できない可能性が高い
国内外で臨床試験が行われている
国内外では、レムデシビルの臨床試験が行われています。
実施国 | 研究デザイン | 対象 | 結果 | |
---|---|---|---|---|
NCT04257656 | 中国 | レムデシビル群158人vsプラセボ群79人 | 入院を要する新型コロナ肺炎患者 | 臨床的改善に有意差なし |
ACTT1 | 欧米、アジア | レムデシビル群541人vsプラセボ群521人 | 入院を要する新型コロナ肺炎患者 | レムデシビル群で臨床的改善が短縮された(10日vs15日) |
NCT04292730 | 欧米、アジア | レムデシビル5日群197人vs10日群199人vs標準治療群200人 | 入院を要する新型コロナ肺炎患者 | 投与11日目時点で、5日治療群は標準治療群よりも症状の改善が早かった |
SOLIDARITY trial | 世界30ヶ国 | レムデシビル群2743人 vs 標準治療群2708人 | 入院を要する新型コロナ肺炎患者 | 死亡率に有意差なし |
DisCoVeRy | 欧州5ヶ国 | レムデシビル群429人vs標準治療群428人 | 入院・酸素投与を必要とする新型コロナ肺炎患者 | 臨床的改善に有意差なし |
レムデシビルを投与することよって、症状の改善が早まる効果が期待できます。
ただし、生存率での有効性や酸素投与を必要とする場合の有効性は示せていません。
オミクロン「BA.5」にも効果がある
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬が、オミクロン株BA.2.12.1、BA.4、BA.5の各系統(注1)の培養細胞における感染や増殖を阻害するかどうかを解析した。
抗体薬(注2)のカシリビマブ・イムデビマブ、チキサゲビマブ・シルガビマブ、ベブテロビマブは、BA.2.12.1、BA.4、BA.5の各系統の感染を阻害した。しかし、抗体薬の種類によって阻害効果が大きく異なっていた。
抗ウイルス薬(注3)のレムデシビル、モルヌピラビル、ニルマトレルビルは、BA.2.12.1、BA.4、BA.5の各系統の増殖を効果的に抑制した。
引用:東京大学医科学研究所 ウイルス感染部門
東京大学医科学研究所 ウイルス感染部門の検証によるとレムデシビルは、オミクロン株BA.2.12.1、BA.4、BA.5の各系統の増殖を効果的に抑制したと発表しました。
臨床検体から分離した培養細胞に対して効果が得られたということで、新型コロナウイルスの治療薬として期待ができます。
レムデシビルの副作用
新型コロナウイルスの抗ウイルス薬として使用されているレムデシビルですが、どんな副作用があるのでしょうか?
重大な副作用と主な副作用に分けてまとめました。
特に腎機能や肝機能に影響を与えることが報告されています。
重大な副作用
- 腎機能障害
- 肝機能障害
- インフュージョンリアクション
レムデシビルの重大な副作用としては、上記の3つが挙げられます。
重大な副作用が発現した場合、以下のような自覚症状が現れる可能性があります。
腎機能障害 | 尿量が減る、むくみ、体がだるい |
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肝機能障害 | 疲れやすい、体がだるい、力が入らない、吐き気、食欲不振 |
インフュージョン リアクション |
呼吸困難、意識の低下、意識の消失、まぶた・唇・舌のはれ、発熱、寒気、嘔吐、咳、めまい、動悸 |
主な副作用
主な副作用としては、以下の症状が報告されています。
報告されていない副作用が現れる場合があります。
気になる症状が出た場合は、担当の医師に相談してください。
呼吸器 | 呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、呼吸窮迫、酸素飽和度異常、低酸素症、気胸、急性呼吸不全、呼吸困難、喀血、間質性肺疾患、胸膜肥厚、胸膜炎、肺塞栓症、肺線維症、呼吸性アシドーシス、肺炎、喀痰異常 |
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代謝 | 血中ブドウ糖増加、代謝性アルカローシス、高血糖 |
肝臓 | 肝炎、トランスアミナーゼ上昇、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)増加、アスパラギン酸アミ ノトランスフェラーゼ(AST)増加、肝酵素上昇、血中ビリルビン増加、血中クレアチンホスホキナーゼ 増加、肝機能検査値上昇 |
循環器 | 低血圧、心房細動、徐脈、急性心不全、心停止、心原性ショック、心筋症、上室性期外収縮、収縮機能障 害、頻脈 |
血液・凝固 | 血小板減少症、正球性貧血、汎血球減少症、血小板増加症、貧血、白血球数増加、プロトロンビン時間延長 |
消化器 | 下痢、悪心、異常便、便秘、血便排泄、嘔吐、消化不良、食欲減退 |
精神神経 | 痙攣発作、譫妄、幻覚、不眠症、浮動性めまい、失神寸前の状態、振戦 |
皮膚 | 発疹、そう痒症、全身性そう痒症、皮膚乾燥、網状皮斑、点状出血、斑状皮疹、斑状丘疹状皮疹、蕁麻疹、注入部位血管外漏出、注入部位出血、注入部位疼痛、医療機器使用部位皮膚炎、医療機器使用部位刺激感、斑状出血、接触皮膚炎、紅斑 |
腎臓 | 急性腎障害、腎不全、腎クレアチニン・クリアランス異常、腎クレアチニン・クリアランス減少、腎機能障害、腎損傷、腎尿細管壊死、尿閉 |
泌尿器 | 尿沈渣陽性、尿検査異常、血尿 |
その他 | コロナウイルス感染、アシネトバクター感染、ウイルス性肺炎、アシネトバクター性菌血症、アスペルギルス感染、カンジダ感染、カンジダ検査陽性、敗血症性ショック、敗血症、多臓器機能不全症候群、臓器不全、発熱、悪寒、アミラーゼ増加、体液平衡陰性、高ナトリウム血症、水分過負荷、高カリウム血症、カリウム増加、血清カルシウム増加、播種性血管内凝固、医療機器関連血栓症、末梢性浮腫、気管内挿管合併症、注入に伴う反応、エンテロコッカス検査陽性、脳症、頭痛、代謝性脳症、ミオクローヌス、失声症、深部静脈血栓症、出血、静脈炎、リパーゼ増加、アミラーゼ高値、総コレステロール増加、LDL コレステロール増加、心電図T波逆転、鼻漏、四肢痛、血中クレアチニン増加 |
レムデシビル投与にあたって注意が必要な方
- 腎機能障害がある方
- 肝機能障害がある方
- 妊婦・授乳婦
- 小児など
- 高齢者
レムデシビル投与にあたって注意が必要な方は、上記の通りです。
腎機能障害がある方 | 腎機能障害が悪化する可能性あり 重度の場合投与非推奨 |
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肝機能障害がある方 | ALT基準範囲上限の5倍以上:投与非推奨 ALT基準範囲上限の5倍未満:治療上の有益性が上回る場合のみ投与 |
妊婦・授乳婦 | 妊婦(妊娠している可能性がある方):治療上の有益性が上回る場合のみ投与 授乳の継続または中止を検討 |
小児等 | 治療上の有益性が上回る場合のみ投与 腎臓に悪影響を与える可能性あり |
高齢者 | 状態を観察しつつ投与 |
腎臓や肝臓の機能障害がある方は、状態によって投与できない場合があります。
また、妊婦や小児等は、治療上の有益性が上回る場合のみ投与となります。
レムデシビル以外のコロナ治療薬
レムデシビルは、点滴薬のため、病院での処方が基本となります。
自宅療養向けの医薬品ではありません。
また、病院以外で新型コロナウイルスに対する治療薬は、入手することができませんが、万が一に備えて持っておきたいと考える方も多いはずです。
そこで通販(個人輸入)で購入できるコロナ治療薬をご紹介します。
個人輸入のため、届くまで時間がかかりますが、処方箋なしで手に入ります。
※自己判断・自己責任の上で使用
モルヌピラビル
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商品名 | モルキシビル(モルヌピラビル) | シプモルヌ(モルヌピラビル) |
特徴 | ラゲブリオのジェネリック | ラゲブリオのジェネリック |
用量 | 200mg | 200mg |
価格 | 40錠 9,800円~ |
40錠 9,800円~ |
購入 | 購入する | 購入する |
モルヌピラビルは、ラゲブリオのジェネリック医薬品です。
新型コロナウイルスの経口治療薬として承認されています。
モルヌピラビルは、レムデシビルと同じ抗ウイルス薬に分類され、BA.5にも効果があるとされています。
モルヌピラビルを服用した患者の重症化リスクが50%ほど低下したことが報告されています。
まとめ
レムデシビルの副作用についてご紹介してきました。
新型コロナウイルスに罹らないことが一番ですが、万が一罹ってしまった場合でも治療薬ができてきています。
ただし、病院処方が前提となっています。
変異株も増えてきているため、自宅に薬を常備しておきたい方は、通販を利用するのがおすすめです。