男性更年期障害を悪化させない対策法を紹介!予防にも効果的!

年齢を重ねてくると、若いころと同じというわけにはいきません。
時には心身に不調を感じることもあるでしょうが、そうした諸症状は
「歳のせい」
「ただの疲れ」
ではなく男性更年期障害の可能性も。
このページでは男性更年期障害の症状をお伝えするとともに、その対策や症状に苦しむ本人との接し方についても触れていきます。
自分で気付く男性更年期障害の症状

体調が良くないと感じるものの、病院や健康診断では異常はない。
その症状、もしかすると「男性更年期障害(LOH症候群)」かもしれません。
体調を含め、次のような精神面や性機能の低下が起こっていれば、歳のせいではなく男性更年期障害を疑った方が良いかもしれません。
- イライラする
- 集中力の低下
- 無気力
- なんとなく不安
- 異様に汗をかく
- 性欲の減少
こうした自覚しやすい症状に苦しみ、悩む男性は600万人にもなると言われています。
更年期と聞けば、女性をイメージするかもしれません。
ただ男性であっても、40代以降はいつでも誰にでも起こりうることは覚えておきましょう。
周りの人だけが感じやすい症状
男性更年期障害はうつ病と誤解されることもあり、ご家族や周囲の人が本人よりも先にその変化に気づくことがあります。
具体的な変化をあげてみると、
- 太ってベルトを緩めるようになった
- 夜中にトイレに行くようになった
- 笑わない
- 怒りっぽくなった
- 口うるさくなった
- 酔って絡むようになった
- 不安を口にするようになる
- すぐに疲れたというようになった
言動の変化が大きいものの、こうした変化は本人では自覚しにくいものです。
そのまま放置してしまうと症状が悪化するケースもあるため、周りの人のサポートがとても大切となります。
男性更年期障害の原因はテストステロンの減少

男性更年期障害の原因は、男性ホルモンであるテストステロンの減少です。
ただストレスや環境の変化によっても分泌量は左右されやすいため、上記であげたような症状の表れ方には個人差があります。
30代半ばくらいから目立ってくるものの、そのペースは女性ホルモンに比べゆるやかです。
そのため症状が表れるタイミングがあいまいで、気づきにくいという特徴があります。
加齢による男性ホルモンの減少となると「歳だから仕方ない」と思われるかもしれません。
ただ予防や悪化させないためにも、男性ホルモンの低下するペースを生活習慣からある程度コントロールするのが大切です。
次で男性更年期の対策方法について、いっしょに見ていきましょう。
男性更年期障害を悪化させない対策法を紹介

男性ホルモンの低下するペースを抑えるためできることは、ライフスタイルの見直しと治療です。
男性更年期症状にすでに苦しんでいる人も、また来たるその日に備えるためにも、次のようなことを実践してみてください。
- 今すぐに出来る対策法6選
- クリニックや病院での対策・治療方法は?
- 大切な人が男性更年期障害かも?と感じた際にできること
ここからはそれぞれを詳しくご紹介していきます。
今すぐに出来る対策法6選
特定のシチュエーションでは、男性ホルモン(テストステロン)が増えることがわかっています。
特に生活習慣の改善はプラスに働き、男性更年期障害の予防・改善に効果的です。
ここからは今日からでも取り入れられる「日常生活における6つの対策」を一気に紹介していきます。
急にすべてを実践するのは続かない原因になってしまうので、改善の余地があると思うところからスタートしてみてください。
積極的に摂取したい食べ物

毎日口にするものだからこそ、食べ物選びは意識していきたいところです。
次にあげる食材を日頃から積極的に摂取していきましょう。
・玉ねぎ
玉ねぎは古くから強精作用が知られており、中に含まれる含硫アミノ酸が男性ホルモンの分泌を促進してくれます。
ただカットした時に酵素の作用で含硫アミノ酸が減少することがわかっているため、丸ごと加熱し酵素を失活させてから調理するのがオススメです。
・納豆、オクラ、山芋、なめこ など
ねばねば系の食材は、若返りホルモンとも呼ばれる「DHEA」が含まれています。
このDHEAは男性ホルモンをつくる材料になるため、テストステロンを増やすブースターの役割があると考えられています
・わかめ、大豆、レバー、牡蠣、うなぎ
これらの食材は「亜鉛」を豊富に含んでいます。
亜鉛は"セックスミネラル"と呼ばれるほどで、1990年代の研究では亜鉛を摂取した男性のテストステロン値が高かったとの報告もあります。
ただ亜鉛は体内での吸収率が約30%と低いので、ビタミンCやクエン酸を含む食材と合わせると◎。
・バナナ
バナナの注目すべきは、"幸せホルモン"と呼ばれるセロトニンの材料になる「トリプトファン」が含まれている点です。
神経を落ち着かせる働きがあり、リラックスしている時ほど男性ホルモンは分泌されます。
また、セロトニンの分泌が促されれば、メンタル不調を防ぐことにもつながります。
・ラム肉、牛肉
肉類に含まれるアミノ酸の一種「カルニチン」は、テストステロンの分泌を高める作用があります。
また体内に十分なカルニチンがあると、脂肪の燃焼を促進してくれるとの報告があります。
そのためより多くの脂肪をエネルギーとして燃やし蓄積を防いでくれるので、メタボ予防にも良いと言えるでしょう。
適度の運動を取り入れよう

適度な運動としておすすめなのが、レジスタンストレーニング。
自重を利用して筋肉に抵抗をかける運動を指し、特にスクワットがオススメです。
ちなみにスクワットを10回3セット行うのと、ウェイトリフティングを3回8セットでは、スクワットの方がテストステロン値の維持率が高かったという報告もあります。
もちろんトレーニング器具を用いるのは悪いことではありませんが、手軽さや無理のない範囲といった意味ではレジスタンストレーニングのメリットは大きいです。
また有酸素運動は、テストステロンの分泌を促します。
ストレス発散や質の良い睡眠にもつながるので、レジスタンストレーニングと併用してみてください。
ただし、オーバーワークは逆効果なため、週2〜3回を目安にスタートしてみましょう。
参考
・日本Men’s Health医学会 – News Letter
・日本Men’s Health医学会 – テストステロン補充療法:高齢に伴う有酸素能力の低下を予防できる?
お酒は適量にしよう

お酒は適量であれば、テストステロンの分泌量をUPさせてくれます。
適量とはアルコールに換算すれば20g程度になり、次を目安にしてみてください。
ビール(5%):500ml
日本酒:1合(180ml)
ウィスキー:60ml
焼酎(25度):100ml
ワイン:200ml
チューハイ(7%):350ml
これ以上のアルコールを長期的に飲み続けてしまうと、テストステロン分泌の大部分を担っている睾丸へのダメージになることも。
するとテストステロンの量が減る可能性もあるので、禁酒の必要はないものの、たしなむ程度にとどめておくのが理想的です。
禁煙

タバコを吸う人と男性ホルモンの関係性について、ハーバード大学の研究結果を見てみましょう。
DHEA ・・・ 18%高い
DHEAS ・・・ 13%高い
アンドロステンジオン ・・・ 33%高い
テストステロン ・・・ 9%高い
DHT ・・・ 13%高い
タバコを吸う人ほど各種の男性ホルモンの分泌量が高いというデータがあり、一見すると喫煙が良いことにも感じられます。
しかし、タバコに含まれるニコチンは自律神経を刺激するため、不眠やストレスなどから男性更年期障害を悪化させるおそれもあります。
また症状の1つであるED(勃起不全)のリスクも高まることがわかっているだけに、禁煙するに越したことはありません。
参考
・中年男性における喫煙、年齢、相対体重、および食事摂取量と血清副腎ステロイド、性ホルモン、および性ホルモン結合グロブリンとの関係
質の高い睡眠が重要

男性ホルモンは、リラックスした時に分泌量が増えます。
ゆえに眠っている時がもっとも分泌されるタイミングになり、睡眠の"時間"と"質"は特に重要です。
しかも、アメリカ医学協会によれば、睡眠不足が1週間以上続くとテストステロン値が10〜15%低下すると報告されています。
それだけに1日4〜5時間程度の十分な睡眠がとれていない人は、睡眠環境を見直してみましょう。
- 夕食は寝る3時間前、お風呂は2時間前までに済ませる
- 寝る前のスマホ、アルコール・カフェイン・タバコの摂取は控える
- 夕方に軽めの有酸素運動を取り入れる
こうしたことをルーティン化していくと、寝付きもよくなり、さらに質の良い深い睡眠もとれるようになってきます。
また睡眠時間は、7時間以上続けて眠ることが理想的です。
参考
・若い健康な男性のテストステロンレベルに対する1週間の睡眠制限の影響
競争で承認欲求を満たそう

テストステロンは、他人と適度に競い合うことで分泌が高まることがわかっています。
そのため、スポーツやゲームといった娯楽はもちろん、ビジネスでもライバルと競うことはおすすめです。
また承認欲求が満たされると、これもまたテストステロン分泌に良い影響を与えてくれます。
「必要とされている」「(家族や仲間)周りから認められている」という実感が、テストステロンの分泌を促してくれます。
社会生活やコミュニティーの中で、自己表現できる場所を見つけることが大切です。
参考
・日本Men’s Health医学会 – 男性ホルモン低下を防ぐ 効果的な食事と運動は?
・テストステロンの変化
クリニックや病院での対策・治療方法は?

男性更年期障害のセルフケアについてみてきましたが、症状によってはクリニックや病院で医療の力に頼ることも必要になります。
診療科目ごとに受けられる治療を簡単にまとめてみると、
科目 | 泌尿器科 | 内科 | 心療内科・精神科 |
---|---|---|---|
部位 | 性器 | 体 | 心 |
主な症状 | ED、頻尿、性欲の低下など | 筋力低下、疲労感、ほてりなど | 不安、イライラ、鬱症状、不眠など |
主な治療法 | 生活習慣改善の指導 テストステロン補充療法(TRT):経口薬・注射・皮膚吸収 漢方 ED治療薬 サプリ |
テストステロン補充療法(TRT) 漢方 ED治療薬 骨粗しょう症薬 サプリ など |
生活習慣改善の指導 テストステロン補充療法(TRT) 漢方 ED治療薬 抗うつ剤 抗不安薬 サプリ など |
注意:医療機関によっては治療法が異なる場合や男性更年期障害の治療を行っていない場合があります。
治療方法がそれぞれ違うことがわかります。
ここからは主に行われている対策・治療方法について、以下の内容を解説していきます。
- 軽い症状の場合は漢方
- テストステロン補充療法(TRT)
- 各種治療薬
さっそく詳しくみていきましょう。
軽い症状の場合は漢方

漢方はさまざまな生薬の組み合わせによって、その人の病気に対して"身体の反応"を見ながら診断・治療を進めていきます。
また、その人の体質に合わせた症状に対応でき、さらに身体全体のバランスを総合的に見直せるのも大きなポイントです。
男性更年期障害に用いられる漢方薬と処方目的について簡単にご紹介しておくと、
八味地黄丸(はちみじおうがん)
⇒泌尿器・生殖器・腎臓の機能低下や下半身の冷えが認められる場合に処方
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
⇒体力の低下にくわえて、精神的に落ち込みが認められる場合に処方
六味丸(ろくみがん)
⇒八味地黄丸と似ており、下半身の冷えがない場合に処方
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
⇒ストレスによって精神や神経症状が認められる場合に処方
また漢方薬は長期的な使用にも適しているので、男性更年期障害の諸症状が続いている場合には有用性が高い治療と考えられています。
テストステロン補充療法(TRT)

テストステロン補充療法(TRT)とは、男性更年期障害の原因となっているテストステロンを補う治療です。
若いころのホルモンバランスに近づくことで、身体の不調や機能不全の改善だけでなく、筋肉量や体脂肪率の減少といった効果も期待することができます。
補充する方法としては、
- 経口薬
- 外用薬
- 注射剤
治療によっては保険診療も認められているため、自覚できる強い症状が増えてしまったり、日常生活に支障が出ていたりすする場合は医師に相談してみてください。
ただし、事前の検査によっては、副作用のリスクからテストステロン補充療法を受けることができない人もいることは覚えておきましょう。
各種治療薬
男性ホルモンを補充する以外の治療として、気になる症状に合わせてピンポイントで治療薬を処方するケースもあります。
一例ではありますが、参考までにいくつかの治療薬を紹介しておきます。
ED治療薬
⇒泌尿器・生殖器・腎臓の機能低下や下半身の冷えが認められる場合に処方
抗うつ剤・抗不安薬
⇒抑うつ症状や不安が認められる場合
骨粗しょう症薬
⇒骨密度の低下が認められる場合
いずれの症状もQOL(生活の質)を低下させるだけに、こうしたお薬を用いる際には平行して生活習慣を見直していくことも大切です。
思い当たる症状が複数ある場合はメンズヘルス外来
男性ホルモンを補充する以外の治療として、気になる症状に合わせてピンポイントで治療薬を処方するケースもあります。
一例ではありますが、参考までにいくつかの治療薬を紹介しておきます。
メンズヘルス外来は、その名のとおり男性の健康に着目した専門の外来になります。
男性特有の疾患を扱うので、気になる症状がいくつもある場合には幅広く対応できるメンズヘルス外来に受診するのも1つです。
さまざまな検査方法が整っていることから、詳しく診てもらうことで適切な治療が期待できます。
主な治療方法としては、
- 生活習慣改善の指導
- テストステロン補充療法(TRT):経口薬・注射・皮膚吸収
- 漢方
- ED治療薬
- 骨粗しょう症薬
- 抗うつ剤
- 抗不安薬
- サプリ
注意:医療機関によっては治療法が異なる場合があります。
また20代をピークにテストステロンは減少していきます。
早い段階から定期的に検査を受けておけば、将来起こるかもしれない諸症状に備えることもできるので相談してみてください。
大切な人が男性更年期障害かも?と感じた際にできること

パートナーやご家族の方が覚えておきたいのが、テストステロンの分泌は環境に左右されます。
ご家族や友人から愛される、リスペクトされる、etc…、男性が認められていると実感できる場所があるだけでも分泌量は増えます。
また男性の変化を感じた時に、「なんで?」「どうしたの?」など質問攻めをするのはNGです。
リラックスしている時にテストステロンの分泌が促されるので、一緒に食事をする、運動や散歩をしてみる、話しかけるなど、何気なく接してあげてください。
そして時には男性を持ち上げてあげると、次第に元気を取り戻していくこともあります。
ここからは特定のシチュエーションでの向き合い方について、もう少し詳しくお伝えしていきます。
参考
・日本Men’s Health医学会 – 夫婦で知りたいチェックリスト
感情の起伏が激しい場合は?
男性更年期障害は精神面にも症状が出るため、イライラしたり、急に落ち込んだりと、感情の起伏が激しくなることも。
本人が自覚していないことも多いので、パートナーは1人で抱え込まずに話す時間を設けることが大切です。
ただ、伝える際には性格に合わせるのがポイントで、"更年期"というフレーズに過剰に反応するケースもあります。
いらぬトラブルに発展しないためにも、タイミングや言葉選びは慎重に。
また相手が職場の上司だと伝えにくいと思いますので、話し合いではなく、時には一定の距離を置くのも1つです。
性行為の頻度が減ったら?
男性更年期障害は、まだまだ認知されておらず、ぎくしゃくしないためにもお互いの理解が大切です。
中でもテストステロンの影響が「性機能の低下」というパーソナルな問題を引き起こすことがあり、男性の愛情表現が乏しくなることも。
しかも、女性が触れにくい話題でもあり、男性にもプライドがあるので表面化しにくい傾向にあります。
ここで覚えておきたいのが、十分な勃起をさせるためには肉体だけでなくメンタル面も整っていることが必要です。
リラックスした環境が求められるだけに、女性が問い詰めたり、男性も焦ったり、不安があるといった状態ではうまくいきません。
まずはお互いが状況を受け入れるところからはじめ、時には医師と相談しED治療薬を取り入れることも検討してみましょう。
そもそも男性更年期障害(LOH症候群)とは?

男性更年期障害(LOH症候群)とは、男性ホルモンの1つであるテストステロンが欠乏することで起こる病気です。
加齢男性性腺機能低下症候群(PADAM)とも呼ばれ、この呼び方からもわかるように年齢(おおむね40代以降)を重ねることによって心身に変調をきたします。
日本では長年、診療の対象外とされてきましたが、高齢化社会に伴い、最近では治療対象とされています。
症状は待っていても回復しないだけに、自覚できた時点で早めに治療することが重要です。
参考
・ウィキペディア(Wikipedia)- LOH症候群
更年期障害は男女で違う
性ホルモンの減少という共通点こそありますが、同じ更年期障害といっても男性と女性ではさまざまな違いがあります。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
時期 | 明確な時期はない | 閉経の5年前後に表れやすい |
症状の表れ方 | 徐々に表れる | 急に現れる |
身体の変化 | 排尿障害・脱毛が起こりやすくなる | 骨量の減少、心臓病や高血圧、生活習慣病のリスクが高くなる |
原因 | 男性ホルモンの減少、体力の低下、周囲の環境 | エストロゲンの減少 |
表れやすい症状 | 憂うつ・イライラ・不眠・労感・ほてり・発汗・しびれ・性欲減少 | ほてり・のぼせ・手足の冷え・発汗・頭痛・めまい・不眠・しびれ・どうき・肩こり・腰痛・疲労感・憂うつ・イライラ |
間違えやすい病気 | 前立腺肥大症・糖尿病・うつ病など | 子宮がん・甲状腺疾患・糖尿病・うつ病など |
治療方法 | ホルモン補充療法、抗うつ薬や勃起障害治療薬、漢方薬 | ホルモン補充療法、漢方 |
この表からもわかるように、男性の更年期障害には"何歳から何歳まで"というはっきりとした定義がありません。
個人差も大きく、症状を見逃し「気づけば悪化していた」ということにもなりかねないので注意しましょう。
年齢のせいではない!こんな症状も男性更年期障害?

"年齢のせい"といえば、性機能の低下を少なからず実感している男性もいるのではないでしょうか。
確かに加齢も1つの原因ではありますが、こうした症状も含めて働き盛り世代に起こる諸症状は男性更年期障害による影響が大きいことがわかってきています。
また男性更年期障害は、目に見えやすい肉体的な症状だけでなく、本人では自覚しにくい精神的な症状が表れるのも特徴です。
- 性機能低下
- 朝立の消失
- 筋肉低下
- 疲労感
- 頭痛、めまい、耳鳴り
- 頻尿
など
- イライラ
- 不安
- 抑うつ
- 不眠
- 集中力や記憶力の低下
- 興味や意欲の喪失
など
症状は多岐にわたり、その症状がうつ病と似ていることから心の病と誤解されることもあります。
男性更年期障害になりやすい年齢や性格は?
更年期障害になりやすいのは40歳以降に多いとはされているものの、30代や70代からでも発症する可能性があることを理解しなくてはいけません。
特に若いころにスポーツやエネルギッシュに活動していた人は、男性ホルモンの分泌が多いと考えられます。
そのため、やめてしまうとホルモン分泌の落差によって症状が出やすくなる傾向にもあります。
また、なりやすい性格というのもあり、
- 真面目な人
- 几帳面な人
- 責任感の強い人
- ストレスを感じやすい人
など
環境にも左右されるため、普段からストレスを感じやすい環境にいる方は注意しましょう。
実際に男性更年期障害かどうかチェックしよう
「なんだか最近調子が悪い」と感じている人は、次の診断目安表でチェックしてみましょう。
症状 | なし | 軽い | 中程度 | 重い | 非常に重い |
---|---|---|---|---|---|
Q1 調子が思わしくない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q2 腰や膝など関節や筋肉が痛い | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q3 急に汗をかいたり火照ったりする | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q4 寝つきが悪い ぐっすり眠れない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q5 よく眠くなる 疲れを感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q6 いらいらする | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q7 神経質になった 落ち着かない | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q8 急に不安になる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q9 意欲や行動力が低下した | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q10 能力の低下 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q11 気持ちが沈む | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q12 人生の絶頂期は過ぎたと感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q13 力尽きた、どん底にいると感じる | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q14 ひげの伸びが遅くなった | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q15 性的能力が衰えた | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q16 早朝勃起(朝立ち)が減った | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
Q17 性欲がなくなった | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
総合評価 17~26 点:なし、27~36 点:軽度、37~49 点:中程度、50 点以上:重度
このチェックシートは医学的な診断にはあたりませんが、症状が気になる人は医師への相談も検討してみてください。
正確な診断のために男性更年期ドックを受けよう
男性更年期障害は、症状だけでは正確に診断するのは困難です。
そのため、「男性更年期ドック」を受けてみると、血液や全身状態から正しい診断がしやすくなります。
検査方法については病院やクリニックによって異なりますが、料金は自費診療となるので10,000〜30,000円ほどを見ておくと良いでしょう。
ちなみにどんな検査をするかについてですが、以下を参考にしてください。
- 血液検査(全身状態やホルモン数値の確認)
- 骨密度検査
- 体脂肪率や体組成の測定
- PWV(血管年齢や動脈硬化の確認)
- 心電図(必要であれば)
人間ドックのように1日かかるということはなく、30分から遅くとも1時間程度で終わるので空いた時間でも検査が可能です。
また、食事をしてはいけないなど決まりもなため、普段通りに過ごして検査日を迎えてください。
男性更年期障害は放置すると危険

男性更年期障害は自覚症状だけでは判断しにくく、気づくのが遅れてしまうケースがあります。
場合によってはうつ病やその他の疾患と誤解されてしまうこともあり、わかった時には悪化していたなんてことも珍しくありません。
またテストステロンの減少は深刻な病気につながることもあり、
- 代謝の低下(中性脂肪やコレステロール)
- 内臓脂肪や皮下脂肪が増えやすくなる
こうしたことは、やがて肥満や生活習慣病(糖尿病、脂質異常症、高血圧)のリスクを高めます。
しかも、動脈硬化が進んでしまうと、血管のトラブルによって心筋梗塞や狭心症、脳卒中といった危険な病気のリスクも。
人によっては長くつらい時期が続いてしまうこともあるので、「いつものと違う」と感じることが増えてきたら歳のせいにせず医師に相談してみましょう。
男性更年期障害は早めの対策が大切!

最後にこのページの重要なポイントを確認しておきましょう。
- 男性更年期障害の改善・予防にはテストステロンを増やすことが大切
- 生活習慣改善を改善することでテストステロンを増やすことができる
- 医療機関では症状に合わせた治療が可能
- 改善には1人で悩まないことが大切
男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が歳とともに減ってくるのは自然の流れです。
そこで、無理のない範囲で出来ることからここで紹介した対策を日々の生活に取り入れてみてください。
それでも異変を感じたり、気になる症状が増えたりする場合は、早めの治療を検討してみてください。